在日3世である著者は、日本に住んでいる在日が日本の不満を語っているときに、「日本が嫌いなら帰れば?」と言われるシーンも何度も見てきた。前編記事『「在日3世」の私が、「先進国の日本」から移住してわかった「韓国=後進国」という残酷な現実』では、そんな著者が実際に韓国に移り住んでみたら直面した韓国の“後進国ぶり”について紹介した。

先進国である日本と同じように暮らすのは「100%無理」という韓国だが、道路事情、人付き合いなど以外でも、日本との違いは思っているよりも大きい。韓国で「差別」を受けることもあるという在日3世の著者が直面した「違和感」とは――。

韓国の若者の「夢」が壊される
韓国はソウル首都圏に全人口の約半分が集中している国である。

裸一貫から事業を起こす場合、日本は元手が少額でも金融公庫、銀行、信金など多くの金融機関で差別なく一定の金額の融資を受けられる。融資の審査でも、借り手の夢を聞き、事業内容の可能性を見てくれる場合がある。

事実、筆者も日本で会社を起こす場合、すべて金融公庫と付き合いのある金融機関から借入を何度かしている。

それが韓国の場合、現金、証券、不動産等の担保がなければ一切の融資は受けられない。

日本のように韓国の若者が夢を実現するには、その家庭が中流であっても無理なのだ。

韓国の「スーパー」「ガソリンスタンド」で驚いた
また筆者の故郷は慶尚道の田舎にあるが、絶対にそこに住むこともできない。

日本も田舎の過疎化が進んでるというが韓国は日本以上だと思う。ソウルから郊外、地方に行くと観光地でない限りほとんど“人がいない”のだ。

筆者の故郷はそれでも少し街であるが、日常的に使えるスーパーは無いし、20~30坪ほどの小さなスーパーはあるが、そこに生鮮の魚は売ってない。

じつは現在、住んでいる近所の小型スーパーにも生鮮の魚は売っていない。大型スーパーに行ってこそ、生鮮の魚が手に入るので、日本のように小型スーパーでも生鮮の魚が買えることを期待してはがっかりしてしまう。

ちなみに、車を持っていても、ハイオクガソリン車だったとするとハイオクガソリンを売るスタンドがほとんどない。

ハイオクガソリンに関してはソウルの街中でも探し回ることになる。

「マンション」も「医療」も…
私が韓国で暮らせないと思った、その圧倒的な理由は不動産だ。

筆者は江南区に住んでいるが、ここで80平米の中古マンションが2億円はくだらない、それ以上なのだ。

チョンセと言う高額な保証金を入れて家賃無しで住むにしても1億2000万円以上する。故郷の慶尚道の田舎でも、購入となると4000万円ほどだ。

医療も先日、首周りのMRIを撮ったら約5万円、もちろん3割負担の健康保険に入っているが保険適用外だった。そのため、韓国では実費保険という少額掛け捨て保険に入り60%ほどの返金を受ける。

MRIの場合、日本では同じ条件で4000~5000円だったはずだ。

日常生活で日本と比べると、韓国は公共交通網の交通費の割安感以外は、日本以上に負担の多い国だ。

それだけではない。