10日午後8時55分頃、北九州市小倉北区魚町4の 旦過たんが 市場付近で火災があり、警察や消防に通報が相次いだ。北九州市消防局によると、飲食店から「天ぷら油に火が付いた」と通報があったという。消防が消火活動に当たっている。同市場付近では4月にも大規模な火災が発生し、40店舗以上が被災した。

https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/08/20220811-OYT1I50041-1.jpg?type=large
激しく延焼する旦過市場付近の火災現場(11日午前0時7分、北九州市小倉北区で)=清水敏明撮影

 福岡県警小倉北署によると、複数の建物が燃えている。けが人の情報は入っていない。激しく燃えているのは、旦過市場に隣接する「新旦過地区」で、4月19日に火災が発生した場所のすぐ南側。同地区にある老舗の映画館・小倉昭和館や、同市場商店街にも火が回っている。

 昭和館の樋口智巳館主は自宅から現場に駆けつけた。「これ以上燃え広がらないことを望むばかりです」と言葉少なに語った。市場に食事に来ていたという同市小倉南区の会社員男性(61)は「最初は白い煙が充満していたが、あっという間に炎が噴き上がった。2回も火災が起きるなんて」と語った。

 旦過市場はJR小倉駅の南約600メートルにあり、大正初期から約100年の歴史を持つ「北九州の台所」として親しまれてきた。4月の火災では大量のがれきが発生したが、寄付金で撤去作業が行われるなどし、今月13日に完了予定だった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220811-OYT1T50106/