日本が「終戦の日」を迎える8月15日、韓国では日本統治からの独立を祝う「光復節」を迎える。

この日、韓国では全国から市民団体がソウルに集まり、さながら“総出の発表会”の様相を呈する。「在日3世」として長く日本に住み、その後、いまは韓国に移り住んでいる著者は、そんな韓国の「8.15」への違和感を禁じ得ないという――。

知られざる「8.15」と「市民団体」のリアルを、その最前線からレポートしよう。

8月15日、韓国ソウルで「市民団体」が続々発表会…!
韓国の8月15日は、日々何かしらの活動を行う市民団体のお披露目の場、発表会になっている。

毎年この日はソウルの光化門からソウル駅まで、全国から集う市民団体の集会で密集率だけでいえばどのスーパースターのコンサートより人が集まっているといえるほどになるのだ。

ここで気になる市民団体たちは日頃、何をしているのかだろう。韓国には学生団体、反米団体、反日団体、親中団体、親北団体などがたくさんあり、その全貌はとても見えづらい。

そこで左派、右派20団体以上を見てきた筆者が、そんな韓国の団体活動家たちの“深層”について紹介してみようと思う。

「現金の入った封筒」を渡されて…
韓国での左派市民団体のトップは言わずと知れた正義連である。

正義連は日本大使館前の慰安婦像の反日デモ終了後、そこから徒歩5分に位置するアメリカ大使館前でジャンバーを着替えて反米デモを行うのは有名な話である。

筆者はずっと韓国の江南(カンナム)に住むが、江南駅の東隣の駅三(ヨッサム)駅地下ではローソク集会の時期、週末になると朝6時に登山スタイルの老男女たちが十数人集まる。

そして、ローソク集会に連れていくアテンドのような中年から封筒を渡されて、その場で封筒の中身の現金を確かめ合う光景に何度も出くわした。

チョグク前法相のデモでは、地方から観光バスでデモに駆けつけていた。その時も、左派団体に詳しい友人が「田舎からソウルへの無償で行けるという慰安旅行のように、事情をあまり把握していない人たちが連れてこられている」と言っていた。

チョグク前法相のデモは江南駅の西隣駅で起こっていたが、タクシーでこの駅(デモ)を跨いでその隣の駅まで通常600円で行ける距離を5000円近く払いミーティングに行った記憶がある。

「ソウルの声」と言う愛国心サイト(YouTube)とされる代表のパク・ウンジョン氏の取材スタイルも面白い。