https://i.gzn.jp/img/2022/08/15/maglev-sky-train/00_m.jpg

日本では東京と大阪を約1時間で運行する高速路線としてリニア中央新幹線の工事が進んでいます。リニア中央新幹線では車両を浮上させるために超電導磁石を用いているのですが、中国では永久磁石を用いた懸垂式の磁気浮上式鉄道の開発が進められています。

中国の江西省興国県で2022年8月9日に開通した磁気浮上式鉄道のテスト路線の写真が以下。テスト路線は「红轨」と呼ばれており、日本のリニアモーターカーと異なりレールにつり下がる懸垂式の見た目が特徴的です。

テスト路線の長さは約800mで、88人の乗客を乗せて時速80kmでの走行が可能とのこと。また、複数回のテストを繰り返した後にテスト路線は約7.5kmまで延長され、時速120kmでの高速走行を目指すとされています。

「红轨」の大きな特徴は車両を超電導磁石ではなく永久磁石で浮上させている点です。永久磁石を用いた磁気浮上式鉄道は安全性や安定性の面で課題があるとされていますが、「红轨」ではAI技術を用いることで安定走行を実現しているとのこと。AIを用いた走行安定化によって、「红轨」は中国国内の地下鉄の一般的な速度である時速80kmを大きく上回るスピードで運行可能で、建設費用は地下鉄の10分の1におさまるとアピールされています。

なお、中国は世界の永久磁石生産能力の約80%を保有しているとのことで、永久磁石を用いた磁気浮上式鉄道が実用化されることによって中国の輸送技術が大きく発達することが期待されています。

https://gigazine.net/news/20220815-maglev-sky-train/