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写真:アフロ

 8月21日、国民民主党の玉木雄一郎代表は、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をめぐる問題に関連し、記者会見で「反社会的行為を、政治のみならず社会が排除できる仕組みを整えたい」と述べた。

 会見終了後、記者団に「政治とカルトの問題だ。反社会的な団体とつながりを持たないようにする法案の提出を視野に入れたい」と述べ、「わが党としては、旧統一教会と決別することを徹底したい」と強調した。秋の臨時国会を視野に策定を進めるという。

 8月18日には、国民民主党が、何がカルトに当たるのかの定義や規制のあり方を検討する調査会の初会合を開いている。そこで玉木代表は「日本には反社会的なカルトが何かを明確に定める法体系、基準がない」と指摘。海外事例を研究し、国内法の整備の可否を判断する方針も示していた。

 日本では戦後に憲法で信教の自由が保障され、宗教を保護する「宗教法人法」が制定された。同法に基づき解散命令を受けたのは、オウム真理教や明覚寺など、悪質な刑事事件を起こした団体のみ。法規制を求める声に対し、信教の自由を理由にした慎重論も根強い。

 玉木代表が注目しているのが、フランスの「反セクト法」だ。

 8月4日に、玉木氏は自身のTwitterにこう書きこんでいる。

《国民民主党は、信教の自由の尊重を大前提としつつも、反社会的な団体の活動を排除する「反カルト法」(仮称)の制定も視野に、党内に特別の調査会を設け集中的な調査・検討を行うこととします。フランスの反セクト法における10の判断基準など海外の法規制も参考に、調査・検討を進めます》

 フランスの反セクト法では、
(1)精神的不安定化
(2)法外な金銭的要求
(3)生まれ育った環境からの意図的引き離し
(4)身体への危害
(5)子どもの強制的入信
(6)社会に敵対する説教
(7)公共の秩序を乱す行為
(8)多くの訴訟問題
(9)通常の経済流通からの逸脱
(10)国家権力への浸透企て

 の10の判断基準を上げている。この基準に照らし、危険な団体をカルトかどうか判断のうえ、資金募集の禁止や事務所の閉鎖を命じることが可能だ。最も重い処分は団体の解散となっている。

「玉木代表といえば、電気料金に上乗せされている『再エネ賦課金』徴収の一時停止案を主張したり、『原子力潜水艦の保有を検討すべき』と主張するなど、機を見て発信する力は長けています。