与那城千恵美さん
「ここですね、ここから50センチくらいのところに一度落ちて跳ねてここで止まったっていう感じです」

宜野湾市に住む与那城千恵美さん。5年前、宜野湾市の保育園の屋根からアメリカ軍ヘリの部品が見つかった当時の園児の保護者です。

与那城千恵美さん
「こっちで靴履き替えている子どもたちもいたので本当に今思い出しても怖いなぁと思います」

それ以来、アメリカ軍機の園上空の飛行禁止などを政府に何度も要請してきましたが、状況は変わっていません。

さらに与那城さんは普天間基地周辺の状況を広く知って欲しいとアメリカ軍機が飛行する様子を自宅から撮影し、SNSで発信しています。

与那城千恵美さん
「最初は子どもたちの学校のことを伝えなきゃと思って始めたんですけど、お家の上空もひどいので」

しかし今、ある不安を感じています-

与那城千恵美さん
「もしかしたらこうやって米軍機の飛行状況をアップしていることで、私がもしかしたら逮捕されたりっていうことがあるんじゃないかなぁっていう怖さがとってもあります」

与那城さんの不安の種となっているのが、「土地規制法」です。

「土地規制法」とは、自衛隊やアメリカ軍基地など安全保障上、重要な施設周辺の土地の利用を規制する法律です。重要施設の周辺1キロの区域内は、「注視区域」とされ、普天間基地に近い与那城さんの自宅も調査や監視、規制の対象となります。施設の「機能を阻害する行為」とみなされれば、刑事罰を科される可能性があります。しかし…

仲松正人弁護士
「何が機能阻害行為かはっきりしていないんですよね」

こう指摘するのは、土地規制法に詳しい仲松弁護士です。

仲松弁護士
「基本方針案はもう抽象的なことしか書かれていませんので、具体例も挙げられていますけれどもそれに当たる以外のことはどうなのかってことは分からないんですね」

「土地規制法」に関する政府の基本方針案。「機能を阻害する行為」として自衛隊等の航空機の離着陸の妨げとなる工作物の設置など7つの例が示されていますが…

基本方針案の抜粋
『この類型に該当しない行為であっても、機能阻害行為として勧告及び命令の対象となることはある』
『内閣総理大臣は、実際に勧告及び命令を行うか否かについて、個別具体的な事情に応じ、適切に判断する』

仲松弁護士
「要するに機能阻害行為は、結局はその機能阻害行為だと認定する方が決めるわけですよ」


Q.米軍機の飛行する様子を撮影してSNSで発信する行為は阻害行為になりうる?
仲松弁護士
「今の基本方針案では、それがならないとは言えない、少なくとももっと明確にしない限り動かすなということは声を上げていく必要があるんじゃないかなというふうに思ってます」

与那城千恵美さん
「私たちはただ、普通に穏やかに生活したいとか子どもたちを守りたいってことで声を上げているだけなのにそれを逆に国が私たちが悪者みたいに監視下に置くっていうことはありえないことだなぁと思います。子どもたちの未来が自由に発言できる国であって欲しい、嫌なことは嫌、だめなことはだめってちゃんと発言できる国になって欲しい」

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rbc/132125