2022年8月28日 20時35分

 【北京=新貝憲弘】中国産のマツタケが高騰している。
今夏の少雨で収穫量が減っているのが直接の原因で、長年にわたる乱獲や気候変動も背景にあるとされ、産地では収穫制限の動きもある。
日本では国産の代替品として親しまれてきたが、庶民の手に届かなくなる恐れが出てきた。
 中国紙・成都商報によると、年間1000トン超と中国産の2割を占める四川省雅江がこう県では、品質の良いもので500グラムで500~600元(1万円強)と昨年の2倍の値段になった。
中国南部を中心とした猛暑の影響で降水量が減ったことで、収穫量は半減しているという。
 経済誌・財新週刊は、毎年2000~3000トン採れる最大産地の雲南省では、乱獲や気候変動の影響とみられる地質の変化で、マツタケの収穫量が減少していると伝えた。
一部地域では今夏から無許可の採取を禁止する措置を始めたが、効果は上がっていない。
 中国産マツタケは1980年以前、無名に近かったが、日本向け輸出が盛んになったのを機に中国での消費も増加した。
一方、国際自然保護連合(IUCN)は2020年にマツタケを絶滅危惧種に指定、中国政府も21年に国家2級保護植物に指定して収穫制限の方針を打ち出している。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/198608