仕事に集中したいときや夜遊びをしたいときに、便秘や膨満感、おなかのガスに悩まされたい人などいない。「どうしてこんなにオナラが出るの?」とグーグルに聞きたくなる気持ちも分かる。

厄介かもしれないけれど、おなかにガスがたまるのは至って普通の生理現象。米マサチューセッツ総合病院の胃腸科専門医、カイル・スタラー医学博士によると、ほとんどの人は1日に何回も(正確に言うと10~20回も!)おならをしている。

でも、米ラッシュ大学医療グループの消化器病学奨学金プログラムディレクター、マイケル・D・ブラウン医学博士によると、出血、吐き気、嘔吐、体重の減少といった症状には注意が必要。黄疸(おうだん)、関節痛、激しい腹痛、皮膚の変化、一向に治まらない進行性の膨満感といった消化器系以外の症状も、深刻な問題になりかねない。当てはまるものが1つでもあるときは、迷わず医師に相談を。

おなかにガスがたまってしまう原因は数多くあるけれど、ブラウン医師いわく一番多いのは炭水化物の摂りすぎ。また、食習慣、食品不耐症、小腸内細菌異常増殖症(SIBO)などの疾患も要因となりうる。

不快感の原因が分かれば、治し方も見えてくる。そこで今回は、おなかにガスがたまってしまう7つの理由と対処法を専門家が教えてくれた。アメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。

1.空気を飲み込みすぎている
米オレンジコースト・メモリアル医療センターの胃腸科専門医で、メモリアルケア・メディカルグループ消化器系疾患プロジェクトディレクターのアシュカン・ファルハーディ医学博士によると、自分では飲み込んでいるつもりがなくても、食べながら話したり、ガムを噛みすぎたりすると、大量の空気が一緒に飲み込まれてしまう。おなかの中に入った空気は、ゲップかおならとして出るしかない。

ブラウン医師によると、この場合は、ゆっくり食べて、ゆっくり噛むだけでOK。

2.アブラナ科の野菜を食べすぎている
カリフラワー、ブロッコリー、芽キャベツは、おいしい反面おならのもとになることで有名。「普段からアブラナ科の野菜をたくさん食べている人は、おならが出やすいかもしれません」とファルハーディ医師。

この場合は香辛料を使うといい。胃腸科医、内科医、生活習慣病医のヴァネッサ・メンデス医学博士によると、キャロム、クミン、しょうが、フェンネルシード(ウイキョウの実)、ペパーミント、ターメリックなどのハーブやスパイスは、おなかのガスと膨満感を減らしてくれるだけでなく、淡白になりがちな野菜料理の風味もよくしてくれる。

メンデス医師いわく、おなら対策にはアサフェティダがオススメ。料理にひとつまみ加えるだけで調子が良くなる。

3.乳製品を摂りすぎている
一見、罪がなさそうな乳製品。でも、スタラー医師によると、私たちの体内には乳製品を分解するための酵素があり、その量は加齢と共に減っていく。小さい頃はチョコレートサンデーを一気に食べても大丈夫だったのに、最近はアイスクリームを食べたあとにガスがたまりがちなのも、これが理由。

この場合は、食生活から乳製品を排除して。ブラウン医師によると、それが難しい場合には、乳製品と一緒にラクターゼ酵素のサプリメントを飲むことで不快感が抑えられるかもしれない。