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6月23日、韓国第3歩兵師団警備監視所へ向けて山を登る米韓同盟軍 出典 在韓米軍

申源湜氏が仮想敵国=日本を明かす
 2018年の韓国海軍艦艇による自衛隊機へのレーダー照射事件は、日韓の大きな政治問題にまで発展した。

 しかし、韓国軍はそれにひるむことなく、事件の2か月後には、強硬姿勢を堅持する方針を決めていたという。

 今年8月18日に日本の朝日新聞が、元韓国軍合同参謀本部次長の申源湜(シン・ウォンシク)氏にインタビューしてこの事実は明らかになった。

 申氏によれば、2019年2月に韓国軍は、「日哨戒機対応指針」を定めた。その内容は、

 「公海上で接近してきた自衛隊機に対し、通信などで2回の警告を行っても応じなかった場合、火器管制レーダーを照射して対抗するように」

 と、いうもの。これは他の国々の軍用機には適用せず、あくまで、日本の自衛隊機だけを対象としたものだというから…、韓国軍は、北朝鮮やロシア、中国よりも日本を最も警戒すべき仮想敵国に想定していたということだ。

 しかし、それは今に始まったことではない。

 日韓関係が悪化するはるか以前から、韓国軍は日本の自衛隊を事実上の仮想敵国軍として、それに対応するための軍備を長年かけて増強してきたのだから。

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2008年12月に就役した世宗大王(駆逐艦) 出典 대한민국 국군 Republic of Korea Armed Forces [Public domain], via Wikimedia Commons

アメリカを困惑させた韓国軍の軍備増強計画
 大韓民国初代大統領・李承晩(イ・スンマン)は、対馬や竹島の領有権を主張し、竹島の不法占拠を実行している。

 対馬についても侵攻計画を練っていたと言われる。つまり、韓国建国時から、すでに日本は戦わねばならぬ仮想敵国としてみられていた。竹島には侵攻しているのだから、すでに戦争が始まっているとも考えられないか。
 
 1991年に韓国と北朝鮮は「南北基本合意」に調印し、南北首脳会談も実現。

 かつての一色触発の状況から比べると、両国の関係改善は進んだ。韓国軍が仮想敵国・日本を想定した軍備増強が本格化するのはこの頃から。

 1994年になると、米国議会でも韓国の日本敵視が問題化するようになった。この年の米国議会で、

 「韓国軍は、日本を潜在的脅威と見立てた軍事力増強に傾きすぎている」

 と、指摘する議員の発言があり、公聴会が開かれた。当時の米国防長官も、

 「韓国は日本を仮想敵として防衛計画を立てている」

 事実を認めて、韓国政府に懸念を伝えている。日米韓軍事同盟の盟主である米国にとっても頭の痛い問題だった。