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イギリス保守党の党首選でのリズ・トラス。
Dan Kitwood/Getty Image

ボリス・ジョンソンの退陣に伴い、リズ・トラスがイギリスの新首相に就任することになった。
5週間の党首選挙を勝ち抜いたトラスはジョンソンの支持者で、政策の継続性をもたらすと見られている。
トラスは、かつてブレグジットに反対していたにもかかわらず、今ではブレグジット支持者として知られ、大幅な減税を公約に掲げている。
2022年7月7日にボリス・ジョンソン(Boris Johnson)前首相が辞任を発表した後の激しい党首選挙を経て、リズ・トラス(Liz Truss)がイギリス保守党の新党首に指名された。 この勝利により、彼女は次の首相に就任する。

ジョンソン前首相は、保守党幹部に対する性的暴行の告発への対応やCOVID-19での行動規制時のパーティー出席など、一連のスキャンダルによって、3日間で60人以上の閣僚を含む政府関係者の辞職を引き起こした。

ジョンソンの盟友であるトラスは、しばしば継続性のある候補者と言われてきたが、彼女は何者なのか、そして首相就任によって何を期待できるのだろうか。

リズ・トラスとは
1975年にイギリスのオックスフォードで生まれたトラスは、2010年に国会議員に当選、現在まで閣僚を8年間務めており、イギリス政府で最も経験豊富な政治家の一人だ。

保守党の党首になる前は、外務大臣を務めていた。トラスは、国際貿易大臣と商務庁長官、財務省首席秘書官、女性・平等担当大臣、環境大臣も歴任している。また、女性として初めて大法官と司法長官を務めた。

2016年のブレグジットをめぐる国民投票では、トラスは当初EU残留派を支持していたが、その後、熱心なブレグジット派として、彼女の対立候補、リシ・スナック(Rishi Sunak)など当初からブレグジットを支持していた人々よりも強硬な立場をとるようになった。

トラスは元々は別の政党を支持していた。学生時代、彼女は自由民主党(イギリスで3番目に大きく、最も中道的な政党)支持者だった。

前任者とは異なり、トラスは国費で運営されるラウンドヘイ校に通ったが、この学校は生徒を「失望させた」と批判している。その後、オックスフォード大学で政治学、哲学、経済学を学んだ。これらの学位はイギリスの政治エリートの多くに共通するものだ。

トラスは何を信じているのか
自由民主党から保守党へ、そしてEU残留から離脱への転向は、トラスがシェイプシフター(姿形を変える妖怪)のようなものであると一部の批評家に言わせている。

若きリズ・トラスがイギリス王政の廃止を主張する動画が選挙期間中に拡散されたが、このような反体制的な立場を彼女は遠い昔に放棄している。