和歌山県警の30歳代の男性巡査部長が2020年8月、逮捕した男性に取り調べ中に「どつき殺すぞ」などと暴言を浴びせた問題で、和歌山区検が今年3月、巡査部長を脅迫罪で略式起訴していたことがわかった。巡査部長は和歌山簡裁から罰金20万円の略式命令を受け、納付したという。巡査部長は現在も県警本部に勤務しており、県警は民事訴訟が和解し次第、処分する方針。

 起訴状などによると、巡査部長は20年8月3日、和歌山市松江北の和歌山北署で暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕した男性を取り調べ中、「泣かすぞ。お前」などと男性を脅した。

 取り調べは録音・録画されており、県警は巡査部長の立件を検討したというが「犯罪の構成要件を満たさない」として見送っていた。

 一方、男性は有罪判決を受けた後の昨年6月、巡査部長の取り調べで精神的苦痛を受けたとして県に慰謝料など176万円を求める訴えを起こし、同年8月には特別公務員暴行陵虐容疑で地検に告訴していた。

 県警は、立件を見送ったことについて「当時の判断に問題はなかった」としている。

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