「トビイカ」というレアな海の生き物のまさに奇跡的な瞬間を捉えた写真が、ツイッターで大きな注目を集めた。

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トビイカの群れが飛翔する瞬間!(写真は岡野さん提供)

これは、海洋自然写真家の岡野哲也(@shirokito)さんが2022年8月22日、自身のツイッターアカウントに投稿した写真。21年6月26日に東京・竹芝と八丈島を結ぶ「東海汽船」に乗船中、三宅島と御蔵島の間で撮影したものだ。

薄暗い朝、海面の上に複数の物体が浮かんでいる。コピー&ペーストしたかのように同じような角度で、上部と下部には違う形のヒラヒラがある。

彼らが「トビイカ」。漢字では「鳶烏賊」と書き、海上を飛ぶことがあるイカの一種だ。

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18年7月、小笠原海運小笠原航路八丈島沖にて撮影(写真は岡野さん提供)

複数の角度から激写された貴重なトビイカの写真に、驚嘆する声が続々とリプライで寄せられた。

「すごい。烏賊が飛ぶのを初めてみた」
「こりゃすごい。イカってこんな風に飛ぶんですね。素晴らしいです!」
「それにしても見事な青色」
「JRの新幹線を思い出しました。キレイですね」
また、どのように撮影したのか教えを請う人も。

確かに、ちょうど群れが一斉に飛んだ瞬間を捉えるなんて、非常に難しそうに思える。筆者は22年8月26日、撮影者の岡野さんに詳細を取材した。

朝5時から夕方まで海を眺め続け...
トビイカが飛翔する瞬間を撮影するために、年間10回以上は船で海へ出ているという岡野さん。感覚としては、6~7月、東海汽船の八丈島航路や小笠原海運の小笠原航路に2~3回乗船すれば、1回くらいはトビイカに遭遇できるかもしれない、くらいのレア度だという。なお、1度の航海は午前5時から16時くらいまで10時間超、甲板で海を眺め続けるという過酷な観察条件を指す。

一方、海上を飛ぶ海の生き物としてよりメジャーなトビウオには、春から夏に同じ場所を航ればほぼ100パーセント、しかも1度の航海で数十回は飛んでいる姿を見られるとのこと。

トビイカ、レアすぎる。

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21年6月5日、東海汽船八丈島航路・御蔵島近くにて撮影(写真は岡野さん提供)