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韓国のK2戦車に試乗するポーランドのブワシュチャク国防相。 [韓国防衛事業庁提供]

5月末に現代ロテム昌原(チャンウォン)試験場を訪れたポーランドのブワシュチャク国防相はK2黒豹戦車に乗って驚いた。K2戦車が試験場走行道路のでこぼこした路面を衝撃なく通過したからだ。ポーランドが購入しようとしたドイツ製レオパルト2A7戦車が障害物のある路面で上下に揺れたのとは対照的だった。防衛事業庁の関係者によると、ブワシュチャク国防相は「エクセレント」と言って感嘆の声を連発したという。

戦車の衝撃吸収能力は、機動中の射撃と2発目以降の射撃の命中率に大きな影響を及ぼす。K2戦車にはISU(In-arm Hydropneumatic Suspension Unit)という衝撃吸収装置があり、戦車が射撃する際に砲身を安定させるためデジタルで自動計算して補正する。この装置のおかげでK2戦車は機動中にも2キロ先の敵の戦車にほぼ正確に命中させることができる。また1発目の射撃後に砲身の揺れが少なく、すぐに次の射撃ができる。レオパルト戦車は違う。こうした装置がリーフスプリングの機械式であり、砲身の振動を補正するのが難しい。

レオパルト戦車は動きながら射撃すれば正確度が大きく落ちる。射撃後に砲身が揺れるため、次に直ちに撃つのが容易でない。K2戦車には自動装填装置があり、戦車兵3人での運用可能で、1分あたり12発の射撃ができる。一方、レオパルト戦車はこの装置がなく、移動中の1分あたりの射撃量はK2の半分ほどにすぎない。

◆K2、レオパルト戦車との戦闘で勝利

結果的に平地でK2とレオパルト戦車が戦闘をすればK2戦車が勝つということだ。両戦車が接近する状況でK2戦車は2キロの距離から射撃すればレオパルト戦車に命中させることができるが、レオパルト戦車は砲身の揺れのため命中率が大きく落ちる。ウクライナ戦争でロシアが使用しているTー90戦車も同じだ。K2の相手にならない。Tー90戦車もレオパルト戦車のように機械式リーフスプリング方式の装置を使用し、射撃命中率が低い。K2戦車は1月、ノルウェーのレナ基地でNATO(北大西洋条約機構)標準標的の4分の1の大きさに射撃し、正確に命中した。こうした情報がポーランドをはじめNATO加盟国に広まった。さらに米国やドイツなどでは今すぐ戦車を製造する余力がない状態であり、関心がK2戦車に向かった。

K2戦車の性能に驚いたブワシュチャク国防相はK9自走砲とFA-50軽攻撃機も視察した。そしてポーランドに帰国した1週間後、専門家チーム34人を韓国に派遣した。ポーランド専門家チームは戦車を検証する戦車長のほか、K9とFA-50を評価する専門家と空軍パイロット、ソフトウェア担当者で構成された。韓国の国防部と防衛事業庁など軍当局はポーランド側の現地調査に積極的に協力した。最近ポーランドが韓国武器体系を25兆ウォン(約2兆6100億円)分以上も購入することにしたのは単なる幸運ではなかった。ロシアのウクライナ侵攻がきっかけになったが、韓国の武器の性能が決定的な要因だった。韓国防衛産業の技術と品質、信頼性と生産能力がドイツやフランスなどの軍事先進国を上回ったのだ。価格も相対的に低い。

ポーランド国防相が注目した韓国の武器はK2戦車だけでない。韓国側はハンファディフェンスのK9自走砲も見せた。国防部と防衛事業庁が陸軍と協力し、計画になかったK9の射撃まで行った。実際、この射撃でK9は1発目の砲弾が標的に正確に命中し、2発目の砲弾も同じ場所に落ちた。