さいたま市の認可保育施設で2019年11月と昨年12月、
園児が夕方に送迎バスに取り残される事故が起きていたことが9日、わかった。
いずれも座席で寝ていた園児を同乗の施設職員らが見逃していた。
園児に健康被害はなく、施設側がそれぞれの保護者に謝罪した。

 市によると、取り残されたのはいずれも同じ認可保育施設の3歳児クラスに通う園児各1人。
19年の事例では午後5時30分頃、園児と職員を乗せたバスが市内の降車場所で園児たちを降ろして施設に戻った際、
園児が車内にいるのに気づかずに職員がドアを閉めていた。

 約20分後に車内からバスの窓をたたいている園児を他の園児の保護者が見つけ、無事だった。
乗降時に園児を確認する決まりだったが、守られていなかった。

 昨年12月のケースでは、午後4時過ぎにバスが園児と職員を降車場所に降ろして施設に戻った際、
車内を点検していた運転手が座席で寝ている園児を見つけた。
降車時に職員が園児を確認するルールだったが、怠っていたとみられる。

その後、施設側は市の指導で送迎時のマニュアルを作り直すなどしたという。

 静岡県牧之原市の認定こども園で3歳女児が通園バスの車内に取り残されて死亡した事件を受け、
さいたま市は送迎バスを使う保育施設などを対象に、送迎時のマニュアルの有無などを確認する調査を行っている。
送迎バスの安全対策について、市の担当者は「調査結果をみて今後の対応を検討したい」と話している。

バス送迎業務の点検、1950施設に通知

 埼玉県の大野元裕知事は9日、県内1950か所の保育園、幼稚園、認定こども園を対象に、バス送迎業務を点検するよう通知したと発表した。
安全管理の徹底を求める国の通知を受けた措置で6日付。県内の自治体でも、同様に事業者に注意を促している。

 県では出欠などの情報を保護者に確認することや職員間の情報共有の徹底、
ダブルチェック体制による子どもの人数確認などを適切に行っているかについて調べる方針。
https://news.yahoo.co.jp/articles/af50a0a2c8dc8ff011211e32e5b593322940ea13