韓国語の約7割は漢字からきた言葉だが、漢字を使わなくなったため同音異義語でよく混乱する。たとえば「防火」と「放火」は共に「パンファ」と発音するので間違うと深刻だ。韓国の記者も苦笑していたが記事で「ヨンペ」とあっても「連敗」か「連覇」かすぐには分からないという。

最近、ある業者がおわびにあたって「退屈な謝罪」を表明したといって話題になっている。業者は「深い謝罪」の意味で「シムシム(甚深)」という言葉を使ったのだが「シムシム」には日常的に「退屈」という意味でよく使う韓国語がある。とくに若い世代は漢字に弱いのでネット世界では「退屈な謝罪」と解釈され炎上したというわけだ。

それでも政治家などは漢字語を使いたがる。「ヤンドゥクユク(羊頭狗肉)」などは日本人でも分かるが「ソイプダム(笑而不答=笑って答えず)」など、得意顔で言ってる本人しか理解されていないのじゃないかな?

漢字を排斥しながら一方では難しい漢字語を使えば尊敬されるという二重心理があるわけだが、実は筆者もこれを活用している。「どうお元気?」といわれれば「いやあ、マンシンチャンイ(満身創痍)ですよ」といい、澄んだ秋空の下では「チョンゴマビ(天高馬肥)だねえ」といえばカッコいい。(黒田勝弘)

https://www.sankei.com/article/20220917-FHW26Q2VLNLKPMBFGGLADWMB6I/