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4年前の合同結婚式の様子(C)ロイター

 旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)が「金欠」に喘ぎ始めている。大きな収入源だった「合同祝福結婚式」の参加者が減っているからだ。

 2018年には、韓国の旧統一教会の本部がある「清心平和ワールドセンター」を貸し切りにして盛大に行われた信者同士の合同結婚式。ところが、4年後の今年4月16日、清平の教団施設「HJグローバルアートセンター」で開催された合同結婚式は、参加者が激減したという。

 会場の参加者は350人、オンラインが2100組、そのうち日本人信者は1007人だった。日本人の参加者はほとんどが「2世信者」で、これまでにはない小規模なもの。

 コロナ禍とはいえ、式が執り行われたのは安倍元首相の襲撃事件の前だったことから、いかに若者信者の「統一教会離れ」が加速しているかが分かる。

「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の渡辺博事務局長がこう指摘する。

「男性の2世信者は1世の親から自立できるケースが多いのに対し、女性信者は年老いた親のことが心配で親元を離れられない割合が少なくありません。結婚したくても教団の祝福を受けられないまま、適齢期を大幅に過ぎた2世の女性信者がかなりいます。統一教会はその問題を何度も機関誌で訴えています。教団は一般男性に『結婚ができます』とアプローチするなど、あの手この手を使って希望者を募っています」

 教団のHPには若い家族やカップルの幸せそうな写真とともに、合同結婚式について詳しい説明がある。家庭連合の田中富広会長は8月10日、外国特派員協会の会見で、「祝福結婚が男女の意に反して強制されることは絶対ありません」と火消し。「現在はその祝福結婚のパートナーとの出会いも、大きく変わっています。ぜひ、当法人のHPをご確認下さい」と、ちゃっかり宣伝していた。

■脱会した2世信者にも再アプローチ

 合同結婚式の参加費は1人140万円。これとは別に衣装代や渡航費、宿泊費がかかり、すべて教団指定の業者が担っている。

 式場では教祖・文鮮明の御言集「天聖経」を販売。それらがなくなるだけでも、教団の収入はガタ減りだ。

「2世同士の結婚が少なくなれば当然、3世の出生数も減り、教団にとって財政的にも大打撃です。半永久的に献金を集めることができなくなり、先細りしていくばかりか、将来の中核信者が育たなくなりますから。そこで今、教団から離れていった2世信者を取り戻そうと必死に運動しています。何といっても一番の収益源は中高年の女性ですから」(渡辺事務局長)

 かつては信者が会場を埋め尽くした「結婚あっせん業」も風前のともしびだ。

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