https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/09/30/20220930k0000m040014000p/9.jpg
街道沿いのかっぱ寿司の店舗=千葉県市川市で2021年7月17日撮影

 回転ずし大手の「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイト(横浜市)の田辺公己社長(46)が、競合他社の営業秘密を不正に入手したとして、警視庁生活経済課は30日にも、不正競争防止法違反容疑で同社長を逮捕し、法人としての同社を書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で判明した。

 田辺社長は、同業の「はま寿司」の親会社ゼンショーホールディングスから2020年11月、カッパ・クリエイトに顧問として移籍し、21年2月に社長に就任した。ゼンショー時代には、はま寿司の取締役も務めていた。

 捜査関係者らによると、田辺社長はゼンショーに在籍していた20年10月ごろ、はま寿司で管理されていた仕入れ価格などのデータを持ち出した疑いがある。移籍前から、はま寿司のデータをUSBメモリーなどに移行して持ち出していたとみられる。

 また、移籍後の20年11~12月、元同僚の女性から数回にわたり、はま寿司全店舗の売り上げデータをメールで受け取っていた疑いも持たれている。

 田辺社長は今年5月、毎日新聞の取材に対し、情報を入手していたことを認める一方で、「違法という認識はなく、営業秘密に当たるとも思わなかった。(入手したデータは)そんなに活用できるものではない。参考程度のものだ」と話していた。

 ゼンショーホールディングスの小川賢太郎社長は毎日新聞の取材に「売り上げや仕入れ値の情報は、チェーン店にとって競争対策や出店戦略の基礎となり、重要な機密情報」と反論していた。

 はま寿司は21年4月に不正競争防止法違反容疑で田辺社長を警視庁に告訴し、警視庁は同6月、カッパ・クリエイト本社を家宅捜索していた。【高井瞳】

https://mainichi.jp/articles/20220930/k00/00m/040/016000c