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Image: Televisa Veracruz / Twitter

火が消えたら次はガス漏れ。どこかに元栓ないんですか。

昨年12月と今年8月にガス漏れ
覚えていますか? 昨年、メキシコ湾の海上油田近くで撮影された、いまにもゴジラが出てきそうな、海面がオレンジ色に燃え盛る映像を。あれから1年ちょっと。さすがに火災はおさまっていますが、あの油田から地球を温暖化させるメタンが大量に放出されていることがわかりました。ロイターによると、ク・マロブ・ザップ(Ku Maloob Zaap)海上油田は8月5日から29日までに4万4064トンのメタンを大気中に放出したとのこと。これは二酸化炭素370万トンに相当し、一般家庭65万3106世帯が1年間で電力使用によって排出する量と同程度なのだとか。

欧州宇宙機関(ESA)が昨年12月に行なった調査でも、同油田が今回の調査と同じくらいのメタンを放出していたことがわかっています。メキシコの年間平均排出量の約3%にあたるそう。決して少なくありませんね。というか、本来防ぐべき排出でしかありません。

今年8月の調査を率いたバレンシア工科大学のItziar Irakulis-Loitxate氏はロイターにこう述べています。

昨年12月は、(ガス井から発生するメタンガスを減らすために遊離ガスを焼却処分する際に発生する炎である)フレアリングを止めたため、常時メタンの放出が続いたのは17日間でしたが、今回はほぼ1カ月断続的にガスを放出してフレアリングを行なっています。

海上油田のユニークな名前にピンときた人がいるとしたら、やっぱり海底パイプラインの破裂が原因で起こった、この海面が燃える映像が話題になったからじゃないでしょうか。頭の中でゴジラのあのテーマソングが流れましたもん。

https://twitter.com/EoinHiggins_/status/1411075158006284290?s=20&t=jH5dOJMmqWo1GGUDa8VdwQ

所有企業はインフラ整備もコメント要請も放置
この海上油田はメキシコの国営石油・ガス企業であるペメックス社が所有しています。ロイターとESAの研究者はともに、昨年と今年のメタンガス漏出の原因を突き止めることはできなかったとしていますが、過去の報道をみる限り、ペメックス社はこのク・マロブ・ザップ油田を含め、老朽化した石油・ガスインフラのメンテやアップグレードをちゃんとやってこなかった歴史があるようです。石油・ガス企業にありがちな話です。調査会社Statistaによれば、2010年から2017年までに同社の施設で発生した事故による死者は約100人にも上るそうです。

なお、ペメックス社は今回の調査結果を全否定。メタンではなく窒素など他のガスと混同しているのではないかと声明を発表していますが、ロイターからコメントを求められても既読無視しているようです。
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