インターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆき(西村博之)氏が3、4の両日、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前を訪れた。「新基地断念まで 座り込み抗議 3011日」と記す掲示板を「0日にした方がよくない?」などとツイートし、市民が反発している。(編集委員・阿部岳)

https://oki.ismcdn.jp/mwimgs/3/d/245h/img_3d7f8a3eb10cbb3399605a54179a1116259431.jpg
「0日にした方がよくない?」と記すひろゆき氏のツイート

 ひろゆき氏はユーチューバーとしても活動し、影響力のある著名人として知られる。3日に辺野古を訪れ、「誰も居なかった」と投稿した。訪問は、抗議行動が終わった夕方だったとみられる。

 座り込みは辞書で「座り込んで動かない」という意味で、市民がいない時間帯があるから、3011日の表記は事実でないという独自の論理を展開した。

 4日は抗議の市民がいる時間帯に再び訪問した。抗議行動の現場を取材する仁尾淳史さんが撮影した動画によると、ひろゆき氏は「座り込みの意味を理解していない」などと市民に説き、逆に「24時間でないと座り込みは成立しないのか」と反論されていた。

 直接言葉を交わしたオール沖縄会議現地闘争部長の山城博治さんは「自分が来た時に座り込みをしていないからゼロ日にしろ、とは何様か。あっけにとられて怒りもない」と振り返る。

 ひろゆき氏の投稿は「いいね」とリツイートを合わせて30万件を超える。山城さんは「沖縄に犠牲を押し付けながら何の自省もない、倫理観の底が抜けた日本の現状を表している。こうしたソフトな形の侮辱が、直接的な暴力を扇動することを懸念する」と語った。

 本紙は5日、ひろゆき氏にツイッター上で取材を申し込んだ。謝罪と撤回の考えがあるかを尋ねたが、返信はなかった。ジャーナリストの大袈裟(おおげさ)太郎さんが4日にインタビューした動画では、ひろゆき氏は認識を改めるつもりがないと回答している。インターネット番組の収録のため訪問したという。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1036442