「そっか、日本と韓国って」と検索したことがあるだろうか?
「韓国へのイライラ、日本へのモヤモヤがいっきに解消する」「グローバルな視点で、確かな学術論文に依拠して書かれている」「爆笑エピソードが満載で、絶対にこの著者にしか書けない」と話題を呼び、『週刊ダイヤモンド』『PRESIDENT』等のビジネス誌の書評欄や、教養を重視する六本木アカデミーヒルズの会員制ライブラリーの推薦図書としても高く評価されているのが、新刊『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』だ。
著者は、『最強の働き方』『一流の育て方』などのベストセラーでもよく知られる、著作累計70万部のムーギー・キム氏。京都に生まれ、日韓両国の文化の中で育ち、フランス・香港・シンガポールで学び働いてきた。同書は「人生を通じて最も書きたかった、両国の視点を融合した“日韓関係の教科書”」という。
以下では、そのムーギー氏が「『韓国の3大NG行動』と在日コリアンも超不快に思う『悪循環の本質』」について考える。
「お前なんか、韓国に帰れ!!」と心無い批判も多く
皆さん、秋雨が降り注ぎ、肌寒くなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?

自称・多忙を極める私が、毎日何時間もかけてエゴサーチしながらヤフコメなどのコメント欄を1つ残らず読んでいると、「お前なんか、韓国に帰れ!!」と心無い批判が多くて、気弱な私は夜な夜なシクシク泣いているのをご存じだろうか。

その涙が深夜にiPadの画面に照らされキラキラ輝いているのだが、か弱い少女でなく「か太い中年」でも連日の苛烈な批判は、締め付けられる胸と、突き出たお腹に、大変こたえるものである。

ただ、たまには「そんな読者の皆様の声にも謙虚に耳を傾けよう」と、本当に韓国に帰って来てみた。

いまは本コラムを、みんな大好き、オシャレストリートの「カロスキル」で、冷麺を食べながらiPadで書いている。

さて、新刊『そっか、日本と韓国って、そんな国だったのか。』のアマゾンレビューでは、「両国への愛情を根底に感じる」「期待の斜め上を行く素晴らしさ」「この本を書いてくださった著者に感謝したい」などと書いていただいている。

一方で、この「東洋経済オンライン」連載へのヤフコメ欄などを見ていると、何を書いても、いつも同じような批判で埋め尽くされている。

以前のコラム「『韓国、マジ超うんざり!』在日も辟易する4大欠点」に対しては、私が韓国を猛批判したからか、コメントがやたらと優しく生暖かったのだが、私は好かれるために書いているわけではない。よって以下では「いくつかの怒りのコメント」を紹介しつつ、それらへの「率直なツッコミ」から始めよう。

たとえば「朝鮮がロシアや中国に支配されたら、今頃韓国はなく北朝鮮が2倍のサイズであったはず。日本に支配されてよかった」などとおなじみの書き込みが毎回溢れている。

しかし、もしそういう御自身が「アメリカに原爆を落とされ、東京空襲されて、アメリカに負けてよかったよね。ソ連に負けていたら、えらいことだったね」などと言われたら、どう思うだろうか。

「韓国政府の対応」が腹立たしく態度を硬化させていく
また「当時の朝鮮が生き残りのために日本と一緒になるという選択を自主的にした」などと相変わらずたくさん書き込まれるのだが、いわゆる「日韓併合条約」に書いてあるような「うちの国、なんかヤバいから、おたくの国に任せるわ!」みたいな国があるだろうか?

実際は、日本は「抗日派の朝鮮王族」を暗殺し、武力で威嚇した日韓協約で「韓国の外交権」を奪い、内閣人事権も奪った。加えて、日本が軍事顧問となって韓国の軍隊を解散させ、抵抗する皇帝は退位させ、代わって即位した「韓国最後の皇帝」が併合を拒むなか、成立させていた親日派の内閣にサインさせたことを「朝鮮人が自主的に望んだ併合」とかやっているわけである。

こう書いて瞳を閉じると、コメント欄での「反日教育のせいで著者の頭がおかしくなった、嘘つき民族とは国交断交です‼︎」といういつもの炎上が目に浮かぶ。

しかしその真相は、日本国内でだけ通用する小説家や漫画家ではなく、客観的・学術的な史実を「Googleスカラー」で論文検索するか、当時の東大教授・吉野作造ないし、その名前からして正しい史実を追求されていそうな木宮正史東大教授の著作を検索していただければ幸いだ。

今ロシアがウクライナの一部を併合しようと、結論ありきの住民投票で「ウクライナの人が自主的に選び喜んでいる」などとやっているのと、ある意味同じなのだが、「知的で静かな大多数の日本の人々」もそんなことはわかったうえで、それでも「韓国政府の対応」に腹が立つから、態度を硬化させていくのだ。