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翁長雄治氏

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知念覚氏

 那覇市長選(16日告示、23日投開票)を前に、玉城デニー・沖縄県知事ら「オール沖縄」勢力の支援を受けてきた現職の城間幹子市長が12日、政権与党が支える前副市長の 知念ちねん覚さとる 氏(59)(自民推薦)を支持すると表明した。オール沖縄は前県議の 翁長おなが雄治たけはる 氏(35)(立民・共産・れいわ・社民推薦)を推しており、同勢力が割れる異例の構図となっている。

 12日夕、城間市長は知念氏の事務所で本人に「必勝」のため書きを手渡し、「私がまいた種が芽を出している。それをスムーズに進めてくれる期待がある」と支持の理由を語った。

 知念氏は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対で同勢力をまとめた翁長 雄志たけし 前知事(故人)の市長時代の側近だった。だが、保守を自認して自民党に擁立され、公明党県本部の推薦も受けた。

 一方の城間市長は雄志氏の後継者。その次男である翁長氏を支えるオール沖縄と対立する形となるため、報道陣に「揺れ動いた時期もある」と心境を明かしたが、2期8年間の市政運営を副市長として支えた知念氏を選んだ。知念氏は「重みをしっかり受け止めて頑張る」と力を込めた。

 知念陣営は、知事選に立候補した下地幹郎氏の後援会や参政党の支援も取りつけた。保守勢力をまとめ、知名度不足克服を目指す。

 城間市長の「離反」は翁長陣営にとって大きな痛手だ。市議会の市長与党会派は11日、陣営の選対本部長就任を城間市長に打診したばかり。陣営幹部は「後継だと前面に出して戦うつもりだったのに」と嘆く一方で、「雄志氏や市民への裏切り行為だ」と批判を強める。翁長氏は12日、記者会見で「有権者が判断するのでは」と淡々と語った。

 陣営は、辺野古移設反対の城間市長が、移設に賛成する自民党の推薦を受けた候補を支える矛盾を訴え、「雄志氏の遺志を継ぐのは翁長氏だ」とアピールする方針。玉城知事も翁長氏を全面支援し、城間市長離反の影響を最小限にとどめたい考えだ。

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