0001きつねうどん ★
2022/10/21(金) 06:49:44.83ID:F619Ywzm米軍の「ハイマース」
陸上自衛隊と米在沖海兵隊による合同訓練
ロケット弾を発射する陸自の「MLRS」
この秋、日本国内で大規模な日米共同訓練が行われた。それが「レゾリュート・ドラゴン(不屈の龍)22」だ。訓練期間は10月1日から14日まで。北海道内数カ所の演習場を使い、実弾射撃も含めて、数々の実戦的な訓練を繰り広げた。
日本側は、北海道の防衛警備を担当する陸上自衛隊北部方面隊の第2師団(司令部・旭川駐屯地)、米側は在沖海兵隊が中心となった。日米合わせて約3500人が参加した。
このレゾリュート・ドラゴンは、2021年より開始された新しい演習で、今回が2回目となる。目指しているのは島嶼(とうしょ)作戦における日米の連携である。
そこで、矢臼別(やうすべつ)演習場を「矢臼別島」、上富良野演習場を「上富良野島」と想定し、それを日米で守り抜く。その目的を達するため、日米双方は新たな戦術を盛り込み、これまでの日米共同訓練とは大きく違うものとなった。
まず、陸自側は、領域横断作戦CDO(Cross Domain Operation)を演練した。これは、陸海空の領域に加えて、宇宙・サイバー・電磁波という新たな領域を横断し組み合わせた戦術だ。今回でいえば、陸上から洋上の敵艦艇を攻撃したり、敵の航空機やミサイルを電波妨害したりと、複合的な戦いを繰り広げた。
米側は、機動展開前進基地作戦EABO(Expeditionary Advanced Based Operations)を試した。これは、敵の脅威圏内に海兵隊を展開させ、そこに拠点を築き、制海・制空を行うこと。
海兵隊の戦力は、米陸海空軍および友好国軍を守るために使われる。そのため、必要とされる場所へ迅速に展開できるように機動力を高め、個々の部隊の戦術技量を向上させていく。米海兵隊からすれば、沖縄から北海道へと展開することも訓練の一環となっていた。
この訓練に対し、ロシアがかみついてきた。演習の一環として行われる高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」の訓練が実施されることが許せなかった。米ハイマースはウクライナ軍へと供与され、ロシア軍の多くの戦車や装甲車を撃破している。
極東地域においても、そのような兵器が展開していることを無視できないのだろう。ロシア外務省は10月12日、日本大使館に抗議をしている。
日本側も、ハイマース同等の多連装ロケットシステム「MLRS」や、最新装備である「16式機動戦闘車」の実弾射撃を行った。派手な訓練が繰り広げられる一方で、非公開ながら電子戦システムを活用した訓練などもひっそりと行われた。
今後の「レゾリュート・ドラゴン」には、海空自衛隊もしっかりと参加し、統合演習化していく可能性も十分に考えられる。注視していきたい演習の一つだ。
■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力―各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子―リクメン』(コスミック出版)など。
https://www.zakzak.co.jp/article/20221021-FKFLYLT775OC7NSBWW3ATYG3II/