10月19日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーにジャーナリストの有田芳生さんが登場した。有田さんは統一教会の問題に50年以上前から向き合っている。

有田芳生「1971年からですから、51年です。大学受験に失敗して、京都の河原町を歩いているときに、ある女性とふと目が合って。それが統一教会の女性信者だったんですよ。数日後に夜の7時から11時まで喫茶店で話をして。全然話がかみ合わないんです。統一教会の『ホーム』というんですけど、集団生活をしているところに来ませんか、と。そういう気にはならないから、行かなかったんですが」

壇蜜「基本的に集団で布教しているのが旧統一教会のスタイルですか?」

有田「学校や仕事を辞めて統一教会に専念する人たちを統一教会の言葉で『献身』というんです。その人たちは集団生活をしていたんですよ。ただ、いまはお金もかかるし、それぞれバラバラに暮らしをしている、というのが中心になっています」

大竹まこと「安倍さんが亡くなったあと、ビンのフタが外れたように、私たちの知らないこと、しかも政治絡みじゃないかと噂される問題が、こんなに出てくるとは。驚いています」

有田「最近の報道でいちばん近いのが30年前なんですよ。1992年に桜田淳子さんたちが合同結婚式に参加すると。そのときに週刊文春、女性週刊誌、テレビのワイドショー、ラジオなどでもやりましたけど、一般のテレビやニュースは報道しなかったんですよ。私たちは単なる芸能ネタじゃなくて、霊感商法やっているのが統一教会だよ、とキャンペーンを張ったんですけど。翌年にあるスポーツ選手が脱会をして、それが終わりなんです。95年になるとオウム真理教がとんでもない教団だということが世界中で報道されて」

大竹「はい」

有田「それが96年ぐらいにはもう報道も沈静化して。それからまったく、統一教会の企画を出しても……」

大竹「オウムの事件があまりに大きかったですからね」

有田「だけどこの30年、ほとんど報道されない中で、統一教会というのは政治だけじゃなくて身近なところまで浸透していた、というのが今回明らかになった。だからいま、報道されているのはまだごくごく一部なんですよ。本当の統一教会とは何か、という全体像を知ってもらいたくて、今回『改訂新版 統一教会とは何か』という本を出したんですけど」

壇蜜「この空白の30年の中に、私たちも意識していなかったわけじゃないんです。道で『お祈りさせてください』という人に出会うとか、急に冊子を渡されたとか。人を信じすぎて変な高い壷を買わないように、とか。いわゆる霊感商法みたいな概念というのは消えていなかったけど、今回の事件でグッと近くなったという印象はありますね」

有田「『改訂新版 統一教会とは何か』を書いて、いま出ている『週刊朝日』に文芸評論家の斎藤美奈子さんが的確な書評を書いてくださって。結論部分は『30年間、何も統一教会のやり方は変わっていないんだ、というのがわかった』と。確かに手法が何も変わっていないんですよ。勧誘の方法、霊感商法……。どのような形で迫ってくるか、特に若い人たちには知っていただきたいと思うんですね」

その統一教会は2015年に「世界平和統一家庭連合」に名称を変更している。

有田「宗教色、まるでなくなったでしょう? 若い人に聞くと、これを旧統一教会だと知らない、ということが多いわけです。そういう中で霊感商法とかをやってきた。活動はまったく変わっていない。『統一教会』と言わずに声をかけてきたわけです」

その実態について、放送ではさらに詳しく解説されている。

https://www.joqr.co.jp/qr/article/68834/