【フラッグスタッフ(米アリゾナ州)=冨山優介】米航空宇宙局(NASA)は24日、アリゾナ州の砂漠にある実験場で、月面探査車の試作機が走行する様子や車内の設備を報道陣に公開した。

https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/10/20221025-OYT1I50140-1.jpg?type=large
NASAの実験場を走行する月面探査車の試作機(24日、米アリゾナ州で)=冨山優介撮影

 試作機はNASAが2006年に開発した。計12個の車輪で前後左右に動く。実験場では砂漠をゆっくりと走行し、ごつごつした岩も乗り越えていた。車内はゆったりと広く、簡易ベッドやトイレが付いている。運転席の下のほうのガラス窓からは、足元の地面付近を見ることができた。

https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/10/20221025-OYT1I50141-1.jpg?type=large
NASAの実験場を走行する月面探査車の試作機(24日、米アリゾナ州で)=冨山優介撮影

 試作機の運用には日本の宇宙航空研究開発機構( JAXAジャクサ )も協力した。今後、運用で得られたデータを分析し、30年に実際に月面で使う探査車の開発につなげることを目指している。

 今月11~22日には、JAXA宇宙飛行士の星出彰彦さん(53)と金井 宣茂のりしげ さん(45)が実験場を訪れ、試作機を運転したり、夜間に車内で過ごしたりしたという。

 NASAは宇宙飛行士が月面を探査する「アルテミス計画」を、JAXAなどと共同で進めている。月探査用の新しい大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」を11月14日に初めて、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから無人で打ち上げる予定だ。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20221025-OYT1T50243/