公表が義務付けられている公共工事の入札結果について、非公表としている福岡県大任町に対し、斉藤国土交通大臣は「法律違反」と指摘し、改めて改善を求めました。大任町の永原町長は、RKBの取材に対し非公表としている理由について、入札業者に対して「ヤクザがそうめんを1万円で売るから」などと主張しています。

◆斉藤国交大臣「大任町は法律違反」

斉藤鉄夫・国交大臣「福岡県大任町が、公共工事の入札結果を非公表としていることは把握しております。これは、入契法、公共工事の入札および契約の適正化の促進に関する法律に違反しているため、改善いただく必要があると考えております」

斉藤国交大臣が28日、名指しで「違法状態」を指摘し、改善を求めた福岡県大任町。大任町は、公表が義務付けられている公共工事の入札や落札した業者名・金額を、非公表とし続けています。

◆大任町は“犯罪の予防”を理由にするが…

町議会議員が町の公共工事について情報公開請求しましたが、町は去年7月「犯罪の予防」などを理由に非公開としました。公正な競争や不正行為の排除のため、入札契約適正化法で公表が定められた入札結果に関する情報。大任町は、なぜ公表しないのか、今年4月のRKBの取材に対し、永原町長はこう主張していました。

◆永原町長「ヤクザがそうめんを1万円で売るから」

永原町長(音声データ)「業者からいっぱい要望文がきちょんがよ。公表せんでくれって。(公表したら落札業者に対し)ヤクザがそうめんをなんぼか買え、冬は数の子をなんぼか買え、1000円で仕入れて、1万円で売る。それがあるから、業者が情報を公開せんでくれ」

大任町が、非公表の理由に「犯罪予防」をあげていることについて、国交省は「それによって非公表とはできない」として法令順守を求めたうえで、警察に相談するように勧めたということです。

◆斉藤国交大臣「違法状態の解消に向けて働きかけ」

斉藤鉄夫・国交大臣「大任町に対しても個別に連絡しており、改善に向け取り組むとの回答をいただいておりました。引き続き違法状態の解消に向けて、働きかけを行っていきたいと思っております」

◆国交大臣の発言に大任町「担当者がいない」

国からの要請にもかかわらず非公表を続ける大任町。28日の大臣の発言について改めて尋ねましたが、「担当者がいない」として回答しませんでした。これまでも情報公開のあり方が問題となってきた大任町。なぜ法律違反をしてまで入札結果を公表しないのか。疑問は膨らむばかりです。

https://rkb.jp/news-rkb/202210283574/