三洋電機が岐阜県 安八あんぱち 町の東海道新幹線沿いに建設した大型の太陽光発電施設「ソーラーアーク」が近く、解体されることがわかった。宇宙船を思わせるような形状で、新幹線の車窓から見える名物として親しまれてきた。環境技術を得意とした三洋電機の象徴的な施設だったが、親会社のパナソニックホールディングス(HD)が大阪の不動産会社に土地を売却した。

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近く解体される「ソーラーアーク」。新幹線の車窓の名物の一つだった(岐阜県安八町で)

 ソーラーアークは全長が315メートル、高さが37・1メートルあり、2001年に岐阜羽島駅近くの三洋電機・岐阜事業所内に建設された。壁面には5046枚の太陽光パネルが設置され、半導体などを生産する岐阜事業所に電力を供給していた。

 周辺の田園風景の中に突如現れる存在感の大きさから、「箱舟」「潜水艦」などの異名もあった。

 太陽光発電の仕組みなどを紹介する展示施設もあり、地元の小中学生らの見学も多かったが、岐阜事業所はすでに生産を停止しており、パナソニックHDは「今後の活用が見込めない」として売却を決めた。ソーラーアークによる発電も、今年夏に終了している。

 関係者によると、土地は年内に引き渡される。今後、跡地の活用に向けてソーラーアークの解体が進む見通しだ。

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