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凱旋門前のシャンゼリゼ通りではフランスの勝利にサポーターが集まり騒然となる(AP)

 懸念された事態が、やはり起きた。カタールW杯は14日、フランスが準決勝でモロッコを2―0で破り、史上3カ国目の連覇まであと1勝とした。だが、パリなどでは両国のサポーターたちが激突。仏ニュースサイトのBNNニュースなどによれば、フランスのサポーターが「アラブ人は出て行け!」「決勝に行くのは俺たちだ!」などと叫び、これにモロッコのサポーターは「ここは俺たちの家だ!」と返しているという。

 添付されている動画では、花火とみられる光が乱舞する中、大勢のファンが道路を走り回っている。また、信号待ちしている車がフランス国旗を掲げていると、群集が寄ってたかってそれを剝ぎ取ろうとし、慌てた車が急転回して群集をはねそうになる光景も。

 仏南部のモンペリエでの動画では、暴徒が機動隊に向かって投石し、発炎筒を投げ込む姿も見られる。機動隊は催涙ガスや、音や光で混乱させる「スタンりゅう弾」、さらにはゴム弾で応戦しているという。

 凱旋(がいせん)門前のシャンゼリゼ大通りには、何十台もの警察車両や、暴動鎮圧を目的とした機動隊の車両が到着して待機。英紙エクスプレス(電子版)によると、2500人の警官がシャンゼリゼ大通りに配置されている。警察当局によれば、少なくとも2人が花火の使用により逮捕された。

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