12/24(土) 10:05  NPO法人POSSE代表
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20221224-00329830

 今年も街中にイルミネーションが輝き、クリスマスの季節がやってきた。

 クリスマスのシーズンは、街やお店の華やかさと対照的に、それを支える労働現場からは様々な悲痛な声が寄せられる時期でもある。クリスマスケーキの「買い取り強要」や「シフト強要」の問題だ。これらの点について、筆者はこれまでも多くの問題提起を行ってきた。


 また、クリスマスケーキに関しては、イベント期間終了後に大量に廃棄されることがたびたびメディアで取り上げられ、食品ロスの問題として扱われることも多い。筆者が代表を務めるNPO法人POSSEがオンラインアンケートを取ったところ、年々食品ロスに対する社会の目線が厳しくなる中で、現場で働く社員やアルバイトたちは精神的苦痛を感じている実態も浮かび上がってきた。

 そこで今回は、クリスマスの労働問題と食品ロスとの関係をあらためて問い直し、その解決策を考えていきたい。

クリスマスの労働問題と食品ロス
 クリスマスの時期になると、色々と話題になる「シフト強要」と「買い取り強要」、食品ロス問題だが、それらはどのような関係にあり、なぜ起きてくるのだろうか。

 
中略

 アンケートに寄せられた声を一部紹介しよう。

大学生・結婚式場に勤務

 ストレスで過食になったり、顔面半分がかるいマヒ状態になりました。披露宴では、1回に50~120人くらい、1日2回、炊き込みご飯やケーキ、パン、肉料理、ドリンク等を捨てていました。まったく手を付けられていないものも多くありました。上司は「食べきれないほど提供するのが披露宴でのおもてなしだ」と正当化し、過密スケジュールのため余った食品を慌ただしくゴミ箱に突っ込まないと次のグループのための準備が進まない状況で、廃棄を強制されていました。

正社員・道の駅の食堂に勤務

 まだ食べられる物を次々捨てていくのは本当にストレスだった。残飯として、ご飯にドレッシングを浴びせ、揚げ物が次に来るご飯の食べ残しに埋もれていき、どんどんゲロみたいになっていく。食べられない人もいるのにと思うと素直に心が痛い。

中略

有効な解決方法とは?
 これまでみてきたような「シフト強要」や「買い取り強要」、職場の食品ロスの問題に対して、私たちはどのように対応すべきだろうか。いくつか考えられる対応方法を列挙してみよう。

コンビニ本部へ相談

 「シフト強要」や「買い取り強要」については、コンビニ本部は容認していない。食品ロスについても大手コンビニ各社が問題視している。そのため、まずはコンビニ本部への相談という手段が考えられるだろう。しかし、本記事でも紹介したとおり、クリスマスの労働問題と食品ロスの背景には本部からの加盟店への圧力がある。どこまで誠実に対応してくれるかは未知数だ。

労働基準監督署へ相談

 次に、労働問題を監督する行政機関である労働基準監督署はどうだろうか。労働基準監督署とは、労働基準法違反等の取り締まりや行政指導を行う機関である。「シフト強要」や「買い取り強要」については…
ユニオン(個人加盟の労働組合)へ相談

 シフト問題や買取強要、食品ロスといった職場内の運営に関係する問題の改善を目指すのであれば、ユニオンに相談することが有効であると考えられる。ユニオンが会社に話し合い(団体交渉)を申し込んだ場合、会社は拒否することはできず、誠実に応じなければならない。

 そして、ユニオンが扱えることは職場に関することであれば基本的に何でもOKだ。賃金や労働時間だけでなく、パワハラやセクハラ、仕事の内容についてまで幅広く対応できる。

 略

 このように必ずしも「違法」行為ではない事柄に関しても幅広く交渉・解決できるのがユニオンの強みである。「シフト強要」や「買い取り強要」といった労働問題だけでなく、職場の食品ロスを防ぐためのルールの設定や働き方の改善を、ユニオンという手段を活用すれば、食品廃棄作業を担っているパート・アルバイトや社員などの労働者の視点から主張していくことができる。

おわりに
 クリスマスやお正月のアルバイト問題は毎年繰り返されている。食品ロスが叫ばれる中で、私たちの「ライフスタイル」も見直しを迫られているのかもしれない。


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