12/26(月) 20:08 河北新報オンライン
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「政治とカネ」など複数の疑惑を抱える秋葉賢也復興相が事実上、更迭されることになった。東日本大震災で津波被害に遭った仙台市宮城野、若林両区を地盤とし、宮城県関係国会議員で初の復興相だった秋葉氏のお粗末で早過ぎる退場。復興への手腕を期待した被災地から怒りや失望の声が上がった。

■次から次に

 「次から次に問題が出てきて、辞任は時間の問題だと思っていた。驚きはない」。若林区の会社員三浦聡一さん(61)は淡々と受け止める。自宅が津波で被災し、別の場所に転居。自宅跡地がある地域一帯は開発規制に阻まれ、今も土地の利活用が進まない。

 秋葉氏はわずか約4カ月半で復興相を退く。「被災地に課題はまだまだある。復興副大臣の経験もあるのに誰に寄り添い、何がしたかったのか全く見えなかった」と苦言を述べた。

 11月下旬には疑惑に対する国会対応を優先し、東京電力福島第1原発事故の被災地視察を取りやめた。宮城県東松島市大曲まちづくり協議会会長の鎌田司郎さん(72)は「地元選出で復興の頼りになると思っていたが、被災地視察が延期されるなど疑惑による影響が出ていた。辞めるのは当然だ」と突き放した。

■「切れ目ない対応を」

 原発事故の影響が続く福島県南相馬市の門馬和夫市長は「このような時期の大臣交代は非常に残念で驚いている。復興が停滞しないよう、切れ目のない対応をお願いしたい」とコメントした。

 岩手県釜石市の野田武則市長は「被災地のために頑張ると言っていたので辞めるのは残念だ」と落胆。後任の復興相には「日本海溝・千島海溝を震源とする巨大地震の新しい津波想定などで安全安心の街づくりの前提が揺らいだ。将来への希望が持てるとは言えず、国は真摯(しんし)な目を今後も被災地に向けてほしい」と望んだ。