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2023/01/04(水) 22:46:33.25ID:kK5POL/0https://news.yahoo.co.jp/articles/27793c2529ac1020976163fc60c0fd20420bf1d6
日本を取り巻く安全保障環境が急速に悪化する中、岸田文雄首相は防衛費の増額を打ち出した。だが、その財源を確保するために増税を決定して批判を浴びた。閣議決定された「安保３文書」でも非核三原則に固執し続けている。岸田政権に任せて日本の将来は大丈夫なのか。人気作家でジャーナリストの門田隆将氏は、政権の抱える問題点を鋭く指弾する。
日本はどうなるのか。そんな思いで岸田文雄首相を見ている。
日頃「検討使」と揶揄（やゆ）され、〝何でも検討〟の岸田首相が１２月８日に突然、防衛費増に伴う５年後からの財源を「与党税制調査会において税目、方式など施行時期を含めて検討するようお願いする」と言い出した。
２０２１年１０月の衆院選でも、２２年７月の参院選でも、「増税」などおくびにも出さなかった首相が、いきなり「５年後の増税の中身を今、決める」と表明したことに永田町は驚愕（きょうがく）した。
翌１２月９日、次の日から台湾訪問が決まっている萩生田光一政調会長は急遽（きゅうきょ）、政調全体会議を開催。会場は党内手続きを無視した首相の増税方針に怒号が渦巻いた。「これではレストランに入ってメニューを見る前に領収書を出されるのと同じではないか！」
反対派の怒りはすさまじかった。閣内からも高市早苗経済安全保障担当相が、「企業が賃上げや投資をしたら、お金が回り、結果的に税収も増えます。再来年以降の防衛費財源なら、景況を見ながらじっくり考える時間はあります。賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません」とツイートすれば、西村康稔経済産業相も、「今年の税収は過去最高６８兆円。今後５年間は大胆な投資・賃上げに集中し、成長軌道に乗せて税収増につなげるべき時。５年間が経済再生のラストチャンス。大変革期の中、バブル期に匹敵する企業の投資・賃上げ意欲の高まりに水を差すべきではない」とツイート。
日本はＧＤＰ（国内総生産）の伸び率がＧ７（先進７カ国）の中でもダントツ最下位の世界１５７位（２１年）。１９９７年の消費増税以降、ＧＤＰはアメリカが２・９５倍、中国は２０・７８倍、韓国さえ３・１６倍なのに日本は１・０９倍と横ばいのまま。西村大臣でなくても、そこから抜け出す〝ラストチャンス〟を増税で潰すのか、と誰もが考えるだろう。
わずか１カ月の間に３閣僚が事実上〝更迭〟され、その上、閣内不一致で重要閣僚が相次いで辞任すれば、岸田内閣は瓦解（がかい）する。増税決定どころか政権最大の危機を迎えたのである。
中略
１２月１５日、宮澤自民税調会長は自民党本部９階の９０１号室で税制調査会を開催。２時間の協議の末、執行部は反対意見を無視して「会長一任をお願いします」と宣言。「反対！」「質問！質問！」という怒号の中、強引に〝会長一任〟が決められた。
しかし、水面下では、反対派との間で「協議継続」と「１月スタート予定の通常国会では増税のための法改正はやらない」との裏交渉もおこなわれ、反対派は一旦、矛を収めた。だがこれで反対派の〝倒閣マグマ〟は確実に広がったのである。
また、岸田政権の〝あり得ない姿勢〟は翌１２月１６日に閣議決定された「安保３文書」にも現れた。この中で日米の防衛当局者が「反撃能力保有」という大転換とともに注目していたのが「非核三原則」問題である。この表現はどうなるのか。
だが文書は予想どおり、これを「堅持」とした。「三原則が堅持されれば〝持ち込ませず〟が維持されます。核保有の独裁国家を隣に３つも抱え、世界で最も核の脅威に晒（さら）されている日本が、アメリカの核戦力の通過や持ち込みも認めず、どうやって三国に対して核抑止力を発揮するのか。ここは〝持ち込ませず〟をあえて宣言せず、〝核不拡散条約の遵守（じゅんしゅ）〟という表現にすべきなのです。しかし、被爆地選出の首相は〝非核三原則の堅持〟にこだわった。日米の防衛当局者たちはこのことに失望。閣内では高市早苗さんだけが奮闘してくれましたが、多勢に無勢でした」（防衛関係者）
国家の領袖（りょうしゅう）には国民の生命と財産、そして領土を守る最大使命がある。岸田首相は独裁国からの核威嚇と攻撃から本当に国民を守る意思があるのか。
うわべの綺麗（きれい）ごとで国家・国民を守ることができる時代はとうに過ぎた。そのことを岸田首相にわかってほしいと心から願う。
