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〝ハルマゲドン将軍〟ことセルゲイ・スロヴィキン氏(ロイター)

 昨年10月8日にロシアの総司令官に任命された〝ハルマゲドン将軍〟がわずか3か月で降格となった。米NBCニュースが12日、報じた。

 プーチン大統領は反転攻勢を強めるウクライナを撃破すべく、10月に〝ハルマゲドン将軍〟ことセルゲイ・スロヴィキン氏を総司令官に任命した。同氏はシリアなど世界中の五つの戦争で軍を指揮し、ミサイルで都市を破壊し、神経ガスで民間人を惨殺してきた男だ。10月10日にはウクライナ各地にミサイルが乱発し、イランが供与した〝自爆ドローン〟の使用など、そのニックネームどおりの残酷な攻撃を繰り返してきた。しかし、一向にロシア軍は有利にならなかった。

 ロシア国防相は11日、「セルゲイ・スロヴィキン氏に代わって、ワレリー・ゲラシモフ大将が総司令官に任命された。スロヴィキン氏とオレグ・サリュコフ陸軍大将、アレクセイ・キム陸軍大の3人が副総司令官となる」と発表した。

 プーチン氏からスロヴィキン氏に与えられた役割はヘルソン州からロシア軍を撤退させることだった。その役割をまっとうしたということだろう。副総司令官を3人置いたということは、新たに大規模な攻撃を計画しているとみられる。

 英国国防省は「総司令官の交代は、戦略的目標に達していないことを明確に認めている」と指摘。また、米シンクタンクは「政治的理由によるもの」と分析している。病気が悪化し余命1年もないともいわれるプーチン氏は猜疑心の塊となっており、クーデターを恐れている。自分の権力をひっくり返す可能性がある人間から力をそぐことに腐心しているともみられている。

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