1/26(木) 11:35    ニッポン放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/5dd86c56a634874ff5705889cc0aae5c9de641a6

前日本銀行政策委員会審議委員の片岡剛士が1月26日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。岸田内閣の防衛増税や子育て支援に対する姿勢について解説した。

岸田総理、防衛費の増額や衆議院の解散などについて「適切に判断」と発言


1月25日、国会では岸田総理大臣の施政方針演説に対する与野党による代表質問が衆議院本会議で始まった。立憲民主党の泉代表から防衛費増額に伴う増税、いわゆる「防衛増税」について「衆議院の解散総選挙で国民の信を問うべきだ」と追及されたのに対し、岸田総理は次のように述べた。

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岸田総理)財源確保にあたっては国民のご負担をできるだけ抑えるべく、行財政改革の努力を最大限行うこととしている。何について、どのように国民に信を問うかは、時の内閣総理大臣の専権事項として、適切に判断してまいります。
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家計の痛みに鈍感な岸田内閣 〜「家計の負担感を弱めよう」というスタンスが見えない
飯田)増税について、いろいろと出てきますけれども。

片岡)岸田政権は家計への痛みに鈍感というか、負担感を強めるような話に対して、それを「是正しようというスタンスがあまり見えないな」というのが正直なところです。

飯田)家計への痛みに対して。

片岡)ガソリン価格が上がっているときに、家計に対して値段が上がった部分を補填するのではなく、企業に対して補助金を出すという話になった。要は「元売りに負担してもらおう」という発想に至っているのです。

飯田)ガソリン価格の上昇において。

片岡)最近、子育て支援や教育の方面で、少しお金を配ろうという話は出てきていますが、油断すると、体面としては「増税」のような議論も出ていて、なかなか油断できない感じがあります。

子育て対策の財源を社会保険料で賄うなど、痛税感が薄い領域に持っていこうとする
飯田)「子育て給付」というような話が施政方針演説で出てきたと思ったら、各紙サブの見出しに「財源は社会保険料」などと書かれていて、「また上がるのか?」と思いました。あれも天引きされることになりますよね。

片岡)サラリーマンの方の場合、社会保険料が引き上げられると実際には痛みがあるのですが、その痛みを直接的に目に見える形で「減ったな」と反映される機会は、あまりない部分があります。

飯田)そうですね。

片岡)ですから痛税感が薄い領域を中心に、じわじわと知らないうちに負担が強まるような格好に持っていこうとしている部分があると思います。

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