韓国レポーターが「日本では嫌韓行為に注意」と…
韓国の旧正月に向けて日本への旅行が人気だと以前の記事に書いたが、1月21日の統計で「日本入国の外国人4人中1人が韓国人だ」と韓国メディアが伝えていた。

事実、旧正月前の事前調査では海外旅行の人気が最も高かったのは日本だ。

去年10月から12月に間も、日本人気が最高潮だった2018年に比べて飛行機チケットの倍率が380倍との報道もあったほどの人気ぶりである。

その盛況ぶりについて韓国TVの特派員は、韓国内のニュース番組で東京に訪れた韓国人を対象にインタビューを行っていた。一人で日本に訪れたという若い女性は、「写真を頼むのに韓国語で頼めるほど周りにいる韓国人観光客の多さに驚いた」と話していた。また、あるレポーターは「わさびテロ」で話題になった寿司店に足を運び、いまはわさびが別皿で提供されていることを伝えていた。

しかし、そのようなレポートを受けて番組MCから出る言葉が、「人気の高い日本旅行だが、嫌韓行為には注意が必要」というものだったから呆れた。現地レポートの内容とは違って、悪意を感じさせるコメントをする意味がよくわからない。

いまだに「反日」を煽る人たち
この報道を見て、日本のメディアが「韓国旅行に行く者に対して、韓国の反日精神に対する注意を促す様なこと」があるだろうかという疑問が湧いた。言うまでもないが、韓国からも日本の多くの番組を見ている私は、そんな報道は見たことがない。

今の韓国メディアを見ていると、何とか一度火の付いた「反日精神」の火を消さない様に、あの手この手で報道する姿が痛々しく思えているのだ。

日韓関係の改善に両国が向き合ういま、韓国メディアが話す「日本に訪日した際の嫌韓行為注意」とは何だろうと思う。今回、日本の東京に特派員として駐在する韓国人記者(知人)に電話で聞いてみた。

私が「駐在しながら日本で嫌韓行為を感じたことがあるのか」に対して「ないですね」と話す。

思わず「そうだろうね」と笑ってしまったが、続けて彼が話してくれたのが、こんなことだった。

「日本に最初に来た時に歴史観の違いから議論になることがあったが、そこで気付かされたのは、日本人は議論を議論として捉えていることに驚いた。韓国で私たちがある様に、決して感情的にならない。それは歴史を知らないためなのかと思ったこともあったが、違うということもわかってきた。日本人はただ冷静に見ている」

魅力に溢れた日本
私も続けて「そうだろうね」としか言いようがなかったが、ここまで気がつくのに、やはり駐在して、実際に多くの日本人と話し合ってみて、はじめて気がつくことなんだろうと思った。

私自身もこの歳になっても、まだ気付かされることの多さに驚いている。

私は日本にいた頃、また韓国でのコンサル業で日本と韓国を飛び回るたび、その土地の美味しいお店を訪ねて、何度も味の感動を受けたことがある。が、韓国では10年以上住んでも、そういった感動は3~4回ほどしかない。人よりは色々と外食しているほうだと思うのだが…。

2018年の話だが、30代半ばの老人介護に従事するすごく真面目な韓国人青年を、カンナムの回転寿司でご馳走したことがある。彼の実家はソウル近郊にある普通の家庭で、普通に育って大学(1流ではない)からソウルに住み、就職して結婚したのだが、回転寿司に行くのははじめてと言っていた。