ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は7日、露軍幹部らを集めて開いた会合にオンラインで出席し、ウクライナ東部ドネツク州と南部ザポリージャ州で計七つの集落を「制圧した」と述べ、「戦果」を強調した。

 ただ、1月中旬に発表したドネツク州の要衝バフムト近郊ソレダルも含まれている。ショイグ氏は、攻勢を強めているバフムトやドネツク州の州都ドネツク南西ウフレダルを巡る作戦についても「成功している」と主張したが、ウクライナ軍の抵抗で思うように進んでいない可能性がある。

 英国防省は7日、ドネツク州で露軍は「1週間で数百メートルの領土しか掌握していない」との分析を示した。

 露軍は、東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)の全域制圧を目指している。ドイツなどがウクライナに供与する独製戦車「レオパルト2」の実戦配備が可能になる3月末より前に先手を打つため、今月、大規模攻撃を開始するとの見方が強まっている。

 ショイグ氏は「米欧の(ウクライナへの)強力な攻撃兵器の供与は、紛争を予測不能なレベルに激化させる可能性がある」と述べ、ウクライナへの軍事支援を拡大する米欧に反発した。「ウクライナに我々の領土を占領させようとしている」とも主張した。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20230208-OYT1T50096/