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マストの修復が進む「三笠」。錆の目立つ箇所もある

日露戦争の日本海海戦で活躍し、稲岡町の三笠公園に展示保存されている記念艦「三笠」の修繕工事が行われている。2本あるマストのうち、前部の塗り替えなどが進行中だ。これとは別に、防衛力の増強を掲げる政府が今後5年間で防衛費を約2倍とする閣議決定をしたことで、三笠の修繕費用も大きく盛り込まれる見通しとなった。

海上自衛隊横須賀地方総監の乾悦久海将が展望を話した。2023年度分は国の予算成立が前提となるが、1億円超の予算確保を見込んでいるという。

三笠は防衛省が管理する国有財産。公益財団法人三笠保存会が維持保全と観覧運営を行っている。

2022年度は修繕費として約7千万円を充当。マスト2本の塗り替えで約5千万円が必要とされており、例年は5千万円前後の予算の中で、錆や損傷が目立つ場所を部分的に補修してきた経緯がある。政府の防衛費増の影響を受け、船全体の整備が一気に進むことになる。「三笠は横須賀のシンボルであるとともに日本のシンボル」と乾海将は力を込めた。

課題もある。船体底部の抜本的な修繕の必要性だ。海岸に固定されているため、海水による腐食が進んでおり、上部構造を安定して支えるための土台工事が不可欠となっている。「ふた桁の億が必要」と乾海将は算盤を弾いており、同保存会を中心にクラウドファンディングなどの手法で対応できたらとしている。

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