韓国に「仏像が盗まれた」で新展開!
2012年に、長崎県対馬市の観音寺から日本の有形文化財の仏像が盗まれた。

「愛国心」を名乗る韓国人の盗人たちが起こした仏像盗難をめぐっては長年裁判が行われてきたが、一審では「数百年前に倭寇に略奪された」と所有権を主張する韓国の浮石寺(プソクサ)の言い分が認められ、所有権が浮石寺にあるとされた。

しかし、このほど2月1日に2審の高等裁判所で控訴審判決が出され、1審とは逆に韓国の寺側の訴えを退け、所有権は観音寺にあるとする判決を言い渡した。

こうした判決を受けて、日本政府も返還を求めるように韓国側に働きかけを行っていくという。

そうした中で、2月6日に韓国メディアで『「略奪文化財、返還すべきなのでは」…日本教育界に動き』という記事が出ていたのが目に留まった。タイミングからして、今回の仏像裁判をめぐる記事かと思ったが、そうではない。「日帝強制占領期間時期、日本に渡った韓国文化財」をめぐって、「侵略の歴史に対して見て見ぬふりで一貫していた日本において、学校で略奪文化財返還を教え始めた」と伝えているものだった。

韓国人も判決に驚いた!
確かに、植民地支配などを通じて取得した文化財を返還する動きは国際的に高まっているものであり、重要な問題であることは言うまでもない。一方で、今回の仏像盗難が許されるものではないことも言うまでもない。それをさも盗んだことは棚に上げて、当時に略奪品されたかどうかの議論に置き換わってしまえば、問題がすり替わってしまうという懸念を感じたものだ。うがった見方をしてしまい、申し訳ないが……。

私がなぜそんなことを言うかというと、今回の仏像裁判をめぐる韓国メディアの動きを見ていると、まさに今までの「聖域(日韓問題)」に関しての報道の姿勢が垣間見えることが心配だからである。

今回の仏像に関して「略奪された」と主張するのは韓国の浮石寺であって、日本は当時、交流による友好的譲渡だったと訴えている。それを文在寅政権下で選ばれた裁判官が、韓国の地方裁判所で「略奪」の訴えを認めたわけだが、当時、多くの韓国人がこの判決に驚いていたことを私は覚えている。

もともと、多くの韓国人はこの「盗み」に呆れ返っていたのだ。

「正常な判断」がなされた
それなのに、今回、韓国メディアは前回の判決が覆されたということについて「正常な判断がなされた」と報じるだけのところが多い。こういう時こそ、なぜメディアは「正常な判断をしたことを誇らないのか」と私は理解に苦しむ。「やっとまともな判決が出た」と韓国人の多くは安堵し、喜んでいるのだから、その現実もまたしっかり報じればいいのにと思う。

そうした報道こそが韓国国民にも届くだろうし、国際社会から見ても真に韓国が「先進国になった」と認められることになるだろうと思うのだ。また、日本側にも通じると思うのだ。

この裁判は最高裁にまで持ち込まれる見込みだ。日本側では「まだ文在寅政権の息のかかった者たちがいる」裁判所でどういった最終判決が下されるのかと先行きに心配をしている。まだまだ目が離せない。

https://gendai.media/articles/-/106002