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2023/02/26(日) 08:32:15.49ID:cOxct8Qmhttps://news.yahoo.co.jp/articles/acc245d0bf97acf8aa55eecc02c9b004482f779e
2021年1月に起きた、ドナルド・トランプ氏の支持者数百名による「議事堂占拠事件」は世界中の注目を集めました。
【写真】議事堂を占拠する「ヤバい人たち」
ところで、議会に乱入したこの群衆のなかには、「クリスチャン・ナショナリスト」と呼ばれる人たちが含まれていました。
アメリカで存在感を増している「クリスチャン・ナショナリスト」「クリスチャン・ナショナリズム」とは、いったいなんなのか？
国際関係や、そこにあらわれる宗教の動向に詳しい、跡見学園女子大学教授の小川忠さんが解説します。
(この記事は、『逆襲する宗教 パンデミックと原理主義』を抜粋・編集したものです)
宗教が政治に介入
議事堂を占拠する人々〔PHOTO〕Gettyimages
2021年1月6日、前年の大統領選挙で敗れたドナルド・トランプ大統領を支持する数百名の群衆が「選挙に不正があった」と主張して、トランプに勝ったジョー・バイデンの次期大統領就任確定を審議していた米国連邦議会に乱入し、数時間にわたって議事堂を占拠した。このため米国政治の心臓部、連邦議会が機能停止するという、米国民主主義にとって建国以来最大の危機ともいうべき状況が現出した。
そしてこの事態は民主主義の危機であると同時に、米国の国是たる「政教分離」、「世俗主義」原則の危機ともいえた。米国の政教分離の原則を明文化しているのがアメリカ合衆国憲法修正第一条「信教・言論・出版・集会の自由、請願権」である。その条文は、
連邦議会は、国教を定めまたは自由な宗教活動を禁止する法律、言論または出版の自由を制限する法律、ならびに国民が平穏に集会する権利および苦痛の救済を求めて政府に請願する権利を制限する法律は、これを制定してはならない。
と書かれている。よく考えてみると、この条文でうたわれている政教分離の原則は、政治権力が宗教に関わる(たとえば国教を定める)のを禁じるものに過ぎず、宗教が政治に働きかけること、政治に関わることを禁じるものではない。
議会に乱入した群衆のなかには多数のクリスチャン・ナショナリストが含まれていた。彼らは、十字架やキリスト肖像画を高く掲げ、「MAGA(Make America Godly Again, アメリカを再び神の国に)」、「キリストは私の救い主、トランプは私の大統領」等と書かれた旗やプラカードを打ち振りながら、議会内部と周辺で暴れまわった。
ある襲撃者のヘルメットには、聖書エペソ人への手紙(第6章第11節)、「悪魔の策略に対抗して立ちうるために、神の武具で身を固めなさい」から引用したのだろう、「神の武具」という文字が刻まれていた。また別の暴徒の衣服には、聖書詩篇(第144篇第1節)の章句「わが岩なる主はほむべきかな。主は、いくさすることをわが手に教え、戦うことをわが指に教えられます」が貼り付けられていた。まさに宗教が政治に介入し、政治の方向性を変えようとする光景である。
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