去年亡くなった安倍元首相を巡り、岸田首相は、16日の自民党大会で「昨年の党大会を比べる時、失ったものの大きさを実感せざるを得ない」と述べた。党大会では、安倍氏を追悼する映像上映やピアノ演奏も行われた。

東京都内のホテルで開かれた自民党大会の冒頭、安倍氏の映像が会場に流れ、安倍氏が生前に弾いていたことで知られる「花は咲く」が、ピアノで演奏された。

自民党と連立を組む公明党から、来賓として招かれていた山口代表は、挨拶の中で、「安倍元首相を失ったことは痛恨の極みだ」として、改めて冥福を祈る言葉を述べた上で、2012年の政権奪還まもない時期の安倍元首相との思い出を語った。

山口代表によると、安倍氏は「自公が政権を失って、国民に多大な迷惑と失望をもたらしてしまった。二度とこのようなことを起こしてはならない。そのためにも自民党がしっかりしなければならない」と語ったという。

山口代表は、このエピソードを明かした上で、「公明党にも言えることでもあった。新たな連立の旅立ちにあたり、謙虚な姿勢で真摯な政権運営に努める。今にも続く自公連立の原点を、互いに共有した」と振り返った。

岸田首相は挨拶で、「昨年の党大会を比べる時、失ったものの大きさを実感せざるを得ない」と述べた上で、去年7月に銃撃事件の際、「一報を聞いて、ヘリコプターで首相官邸に戻った時の気持ちを、今も忘れることはない」と語った。

また、「安倍元総裁の下、『日本を取り戻す』と固く誓い、当時の民主党政権から政権の座を奪還したのは、今から10年前のことだ」と述べ、「この10年、安倍元首相の強力なリーダーシップの下、多くの仲間とともに、日本の未来を切り拓くために、死力を尽くしてきた」と強調した。

そして、「『次の10年』を創るため、新たな一歩を踏み出す時だ。ともに更なる挑戦を続けていこう」と呼びかけた。

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