ソウル中心部の光化門広場に面したビルの地下にある韓国最大の書店「教保(キョボ)文庫」はランチタイム後のブラリにもってこいだ。その「教保文庫」で2月の海外小説売れ行きベスト5が出ていたが、日本の小説が上位を独占し話題になっている。

1位が一条岬著『今夜、世界からこの恋が消えても』で2位が新海誠著『すずめの戸締まり』、3位が村瀬健著『この世の果ての鉄道駅』(原題は『西由比ヶ浜駅の神様』)で、5位にはベストセラー常連の東野圭吾の『希望の糸』が入っている。今、上映中の映画でも日本アニメの『スラムダンク』や『すずめの戸締まり』『鬼滅の刃』が人気上位を占めている。

日ごろ反日大好き(?)の韓国メディアも最近の街の話題として「日本旅行」「スラムダンク」「サントリーハイボール」を皮肉っぽく挙げているほど、韓国はただ今、日本ブーム復活である。そんな中で打ち出された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の大胆な対日接近策に対し、野党や左派勢力は必死に抵抗し反政府・反日闘争を展開しようとしている。

週末には大規模な反日集会・デモが計画され、旧政権の影響が残るKBSやMBCなどのテレビは早速、反日キャンペーンを始めている。さてこの反日に世論がどれだけ動かされるか、見ものである。(黒田勝弘)

https://www.sankei.com/article/20230311-IVHIHQS5QNK7VK3GXSV3SPDUCY/