3/16(木) 21:33   産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/420277861e3426144f03cd3cafc879fd1e579846

岸田文雄首相が16日、来日した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談したことについて、麗澤大の西岡力客員教授は産経新聞に談話を寄せ、韓国に対し新たな謝罪をしなかった首相の姿勢を評価する一方、韓国海軍による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題を巡り首相が厳しく抗議しなかったことについて「残念だった」との認識を示した。談話は次の通り。

【防衛省が公開した写真】韓国軍によるレーダー照射の映像

今、取材でソウルに来ている。韓国のマスコミは尹大統領が戦時労働者問題で日本に大きく譲歩したのだから、岸田首相が明確な謝罪の言葉を述べるかどうかに注目していた。街には「日本がやったことなのに韓国が支払うのか」という左派野党の横断幕があちこちにみられた。その中で、過去の歴史認識を全体として継承するという言葉だけで、新しい謝罪をしなかった首相の姿勢は評価できる。

継承される歴史認識には、労働者の強制連行・強制労働を否定した閣議決定も含まれることを林芳正外相が9日に国会で明らかにしたことも、韓国で批判的に報じられていた。しかし、尹氏を支持する右派メデイアはそれを「妄言」などと糾弾していない。歴史認識の一致はあり得ない。不一致であることをお互いに認め合う「アグリー・トゥ・ディスアグリー」しかない。

ただし、次の政権が左派に移ったら必ず今回の解決策は覆されると覚悟して付き合うしかない。

残念だったのは、韓国駆逐艦による自衛隊機へのレーダー照射事件について、尹政権が照射の事実を否定し、反対に自衛隊機が危険な近接飛行をしたという文在寅(ムン・ジェイン)前政権のウソをそのまま継承していることに対して、首相が厳しく抗議をしていないことだ。

ある韓国の友人に自衛隊や防衛関係者の怒りを伝えたところ、それなら首相がレーダー照射を認めないと関係改善はできないと尹氏にきちんと言うべきだったといわれた。