3/21(火) 10:02   47NEWS
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2月27日、東京都内である記者会見が開かれた。内容は、自衛隊内でのセクハラについて。被害を訴える航空自衛官の女性が、損害賠償を国に求める訴訟をこの日に起こした。ただ、記者会見の場にいたのは弁護団だけで、女性本人は出席していない。理由は「会見に出ると、懲戒処分される懸念があるから」。弁護団によると、女性が事前に提訴する意向を自衛隊側に伝えたところ「会見は許可をとるように」と言われ、会見に出て何か発言すれば処分されるのではと心配したためだ。実際、女性は過去に男性隊員個人に賠償を求めた訴訟に関連して訓戒処分を受けたことがあり、断念せざるを得なかった。

 自衛隊でのセクハラを巡っては、元陸上自衛隊の五ノ井里奈さんが性被害を訴え、防衛省は昨年、全自衛隊を対象に異例の「特別防衛監察」を実施。組織としてハラスメント対策に取り組む姿勢を見せた。浜田靖一防衛相も対策強化を繰り返し強調している。それなのに、また後退しているようにみえる。(共同通信=清鮎子)


  ▽日常的なセクハラ、でも同僚は否定

 過去の訴訟の判決によると、航空自衛官の女性は2010年、那覇基地に着任。挨拶回りをした際、別の班に所属するベテランの男性隊員から、年齢をやゆするような言葉を投げかけられ、驚いた。「こんな発言が許される職場なのか」

 この男性は、相手の体型を話題にしたり、いわゆる下ネタを言ったりすることが多く、他の女性自衛官にも「更年期」「生理中か」と発言したことがあった。不快に思う隊員はいたが、男性の地位が高いため、注意や指摘しにくい雰囲気があった。こうした発言が、誰に対しても軽い調子で日常的に発せられており、周囲は一緒に笑って盛り上がったり、聞き流したりしていた。

 女性に対しても、胸や尻について冗談を言っていたが、そのうち交際相手との性行為に関しても言及するようになった。我慢していたが、2013年1月、男性は、女性が所属する班の対応が遅れたと考え、女性に「(交際相手)とばっかりやってんじゃねえよ」「やりまくってるからって業務おろそかにするんじゃねえよ」という言葉を浴びせた。