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トイレの使用を禁止する貼り紙=2023年3月20日、埼玉県久喜市役所、佐藤純撮影

 埼玉県久喜市役所本庁舎でトイレの詰まりや漏水が相次ぎ、ほとんどのトイレを使用中止にする非常事態に陥っている。市は急きょ仮設トイレを設置してしのいでいるが、原因を突き止めて修繕を終えるまで長期化しそうだ。

 市によると、3月1日に本庁舎2階西側の男性用、女性用両方のトイレが詰まり、1階の天井から汚水が漏れ出した。何らかの原因で排水管が詰まり、排水をスムーズにするため空気を送る「通気管」に逆流し、通気管の損傷していた部分から漏れ出したとみられるという。通気管を修理し、排水管を高圧洗浄していったん復旧したが、9日夜から10日朝にかけて再び詰まりと漏水が起きた。

 このため、市は1~5階西側のトイレをすべて使用中止にし、詰まりの原因を調べている。

■17カ所中14カ所が使用中止

 本庁舎のトイレは全部で17カ所。このうち1階東側の男性用1カ所、女性用1カ所、6階のバリアフリートイレ1カ所を除く14カ所が使えない状態だ。本庁舎の西側通用口を出たところに男性用5基、女性用5基のくみ取り式の仮設トイレを設置したが、原因究明と修繕工事が長引く可能性があるため、仮設の水洗トイレ増設を検討している。

 市は、使用可能な3カ所や仮設のトイレのほか、近くにある別棟の公文書館、総合文化会館のトイレを使うよう呼びかけている。

 市によると、本庁舎は1980年にできた。これまでにトイレの配水管や通気管を大々的に修繕したことはないとみられるという。(佐藤純)
 
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