3月6日に、元徴用工をめぐる問題に関して、韓国政府が自国解決を発表。16~17日に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が来日、同時に日本政府が韓国に対する輸出規制解除。23日に韓国が、WTO(世界貿易機関)での日本への提訴取り下げを発表……。今月は、日韓関係が大いに進展を見せた。
そんな中、現代ビジネスの連載「在日3世」シリーズで人気を博している豊璋(ほう・しょう)氏が、初となる著書『それでも韓国に住みますか』を刊行。短期間、来日したのを機に、東アジア問題コラムニスト・近藤大介が、韓国問題について、豊璋氏と緊急対談した。(撮影:西崎進也)

リアル韓国は所詮「自称・先進国」
近藤: はじめまして。昨年来の豊璋さんの現代ビジネスのコラムは、いつも面白く拝読しております。

私の毎週火曜日のコラムは、現代ビジネスの連載第1号(2010年4月開始)で、今回で666回目になるのですが、この頃は人気ランキングでベストテンに入るか入らないか(笑)。それに比べて、豊璋さんの「在日3世」シリーズは、いつも人気トップ。これはすごい「新人」が現れたなと。

豊璋: それは、お金、かかってますもん(笑)。ボクはソウル在住13年で、これまで韓国人に騙された金額が約4000万円。「文在寅(ムン・ジェイン)反日政権」のせいで失った額が、約1000万円。合計約5000万円もの「血の涙」を流しながら得た体験や情報を書いているわけです。いわば、剥き出しの「リアル韓国」ですから、少しは人気が出てもらわないと困ります(笑)。

近藤: 「リアル韓国」については、ご新著の『それでも韓国に住みますか』(WAC)にたっぷり書かれていますが、いやあ、それにしても壮絶な世界ですね。

豊璋: そうなんです。ボクは朝鮮総連幹部の祖父を持つ在日3世で、朝鮮学校の出身です。日本に住んでいた頃から、「在日野蛮人」を自任していたのですが、そんなボクでも、2010年に韓国へ渡った時は、毎日、唖然とすることの連続でした。

畑で農夫が野グソをしていたり、美容院でお湯が出ないのに冷水で頭を洗わされたり、コンビニの店員が自分のスマホで遊んでいたり……。韓国では道がデコボコで何度も転んでしまうので、スニーカーを履くことに決めたほどです(笑)。

近藤: 私は中国で4年間、暮らしました。韓国に暮らしたことはありませんが、50回以上訪れていて、廬武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)の3大統領には直接会って話を聞いたこともあります。韓国語も普通に話します。

そんな私から見ると、中国は大陸国家で、日本は(海洋に囲まれた)島国です。それに対して韓国は、半島国家。つまり中国的要素と日本的要素を併せ持った国というか、中間的な民族である気がします。

豊璋: それは確かにそうかもしれませんね。でも、新著にも書きましたが、韓国は実際に住んでみると「違和感」の連続ですよ。世界のGDPランキングでベストテン入りしたことで、「自分たちは先進国になった」と自負していますが、それは「自称・先進国」だろうと(笑)。

「すでに日本を超えた」と誇る韓国人もいますが、ボクには韓国が日本より豊かになったとは、どうしても実感できない。それどころか、いまだに30年くらい遅れている気がしています。

つづき
https://gendai.media/articles/-/108188