3/28(火) 11:17    デイリー新潮
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb5d80831a0bd3e1f698dbdcea3cfe0b3ac63de8

 国際政治学者の三浦瑠麗氏(42)がTwitterに投稿した内容でプライバシーを侵害されたとテレビ朝日の社員が300万円の損害賠償を求めた訴訟で、3月22日、最高裁判所は三浦氏の上告を棄却した。これにより三浦氏が30万円をテレ朝社員に賠償する判決が確定した。原告の西脇亨輔さん(52)は、テレ朝法務部に勤務する現役の弁護士。自ら法廷に立って自分を弁護した。西脇氏が3年8カ月に及んだ闘いを振り返った。

【写真】20年に離婚した西脇亨輔さんと元テレ朝アナウンサーの村上祐子氏。仲が良かった頃のツーショット

 ***

始まりは元妻との離婚トラブル
「会社には相談せずに独断で裁判を起こしました。もちろん、上司にお知らせはしましたし、平日の深夜や土日・有給を使い、会社の仕事に影響が出ないようやってきたつもりです。それでも、社内で厳しい声もあったのは事実です。三浦さんは田原総一朗さんがかわいがっていた『朝まで生テレビ!』の常連メンバーでしたので……」

 戦い終えた男はしみじみと語り始めた。取材場所に持ってきてくれた裁判資料はゆうに1000ページを超える。西脇さんは平日、サラリーマンとして会社に勤務しながら、これをたった一人で書き上げたのである。

 そもそもの始まりは、西脇さんと元テレ朝アナウンサー・村上祐子氏との離婚トラブルであった。西脇さんは現在、法務部に所属しているが、アナウンサー採用での入局。朝の情報番組「やじうまプラス」での共演がきっかけで、2006年にアナウンス部の同僚で6つ後輩の村上氏と結婚した。だが、15年に村上氏が政治部へ異動した頃から夫婦関係が悪化する。

 村上氏が突然、「別れたい」と言って家を出ていってしまったのだ。納得いかなかった西脇さんは話し合いを求めたがもつれにもつれ、18年12月、離婚裁判に発展。なお、この裁判の弁護士も西脇さん自ら担当した。

離婚訴訟中に村上氏がNHK記者と同棲していた
 そんななか西脇さんは衝撃的なニュースを目にする。19年4月に「週刊ポスト」が村上氏とNHK政治部記者・A氏が同棲中であることをスクープしたのである。その時の衝撃を西脇さんは3年前、「デイリー新潮」のインタビューで次のように語っている。

〈記事を読み、文字通り、全身から血の気が引きました。手や足が驚くほど冷たくなって、目眩がするほどでした。それまで離婚の理由は『性格の不一致』だと思っていたのですが、Aさんとの関係があったのではないかという疑念が湧いてきたのです。私はお酒が弱いんですが、あの時は何をいくら飲んでも頭が冴え続けて、酔うことも寝ることも出来ませんでした〉

 記事を読んで湧いた怒り、悲しみが「法律家・西脇亨輔」に火をつけた。19年4月に慰謝料を求めてA氏を提訴。さらには同年10月、使用者責任があるとしてNHKまで訴えた。(A氏との裁判は20年に和解、NHK裁判は19年に棄却)

 その合間の19年7月に起こしたのが三浦氏との裁判だった。西脇さんが問題視したのは、ポスト報道について三浦氏が村上氏を擁護した下記のツイートだった。

〈そもそも何年も別居し離婚調停後、離婚訴訟係争中の人を不倫疑惑とする方が間違い。新しいパートナーと再スタートを切り子供を作ることさえ、離婚しにくい日本では難しい。これは本来多くの人が抱える問題のはずなのに。村上祐子さんを朝まで生テレビから下ろすべきではない。〉(19年4月2日)

〈週刊ポストは村上さんの相手が破綻事由でないことも、離婚訴訟中であることも知ってて敢えて隠して不貞行為のように書いたでしょ。〉(同)

 三浦氏は、村上氏がA氏と関係を持ったときにはすでに婚姻関係は破綻していたと断じ、不貞行為にはあたらないと庇ったのである。