バーガーキングがまたやらかした。

 東京・渋谷センター街の屋外広告でマクドナルドをイジっているのだ。

 この巨大な看板は、3月17日発売の新しいビッグバーガー「BigBet(ビッグベット)」を紹介したものだが、商品の写真やバーガーキングのロゴ、「正面から大勝負!」というキャッチコピーが横に伸びてゆがんでいる。

 だが、ある場所から見ると、ハンバーガーが立体的に飛び出しているように見えて、文字もきれいに見えるとSNSで大きな話題になった。そのある場所とは、この看板の近くにあるマクドナルドの店内である。マックの中から見たときだけ、この広告はハッキリと見えるようにデザインが計算されているのだ。



新しいビッグバーガー「BigBet(ビッグベット)」の広告が話題に
 この「仕掛け」についてバーガーキング側は「どう感じるかはお客様次第です」(まいどなニュース 4月3日)と明言を避けているが、SNSでは大いに盛り上がっている。

 「ケンカ売ってんな―w」と面白がる人もいれば、「逆にカネかけてマックの集客に一役買ってるじゃん」と突っ込みを入れる人もいるのだが、「またじゃれ合ってるよ」と「トムとジェリー」のように仲良くケンカしているような印象を受けている人も少なくない。

 バーガーキングがマックをイジるのは、これが初めてではないからだ。

私たちの勝チ
 有名なのは、20年に勃発した「昭和通りの乱」である。1月31日、22年にわたって営業をしていたマクドナルド秋葉原昭和通り店が閉店することとなった。店頭には「22年間のご愛顧ありがとうございました」という大きな垂れ幕が設置され、そこには別れを告げるドナルドの後ろ姿と「See you」の文字が記されていた。

 すると、ほどなくして、この店の目と鼻の先にあるバーガーキングが動く。なんとこの垂れ幕をパクったデザインで、「22年間たくさんのハッピーをありがとう」という垂れ幕を店頭に掲げたのである。

「22年間たくさんのハッピーをありがとう」という垂れ幕を店頭に掲げた

 こちらはドナルドの代わりにバーガーキングの店員が頭を下げて、「Thank you」の文字が記されている。そう聞くと、ライバルが労をねぎらった「美談」のように聞こえるだろうが、実はそうではない。この垂れ幕の中で、マクドナルドへのメッセージが綴られていて、これを一番左側の文字を「縦読み」すると、こんな言葉が浮かび上がる。

 「私たちの勝チ」――。

 閉店するマックに「お疲れさま」と言っている風で、実は勝利宣言というなんともウイットに富んだこの広告は大きな話題になった。

つづき
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2304/04/news047.html