https://www.sankei.com/resizer/lhun2Aj6GMrWnyXNNA4PcF3WwIM=/0x1200/filters:focal(748x836:758x846):quality(40)/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/VCXGBW2RQVK5ZJF2WN6GG3AGWM.jpg
馬場代表は日本維新の会を野党第一党に躍進させられるか

統一地方選・前半戦(9日投開票)で、日本維新の会が〝躍進〟した。大阪府知事、大阪市長の「ダブル選」で圧勝したうえ、奈良県知事選でも公認候補が当選し、道府県議選でも改選前の2倍以上の議席を獲得した。後半戦(23日投開票)も含めた今回の統一選では、選挙前の約1・5倍となる「600人以上の地方議員獲得」を目標にしている。同党は、次期衆院選で野党第一党の獲得も目指すが、何が必要なのか。

「大阪でやってきた改革が、関西を中心に、関東は東京を中心に、全国的に広がりつつある」

日本維新の会の馬場伸幸代表は9日夜、前半戦の手応えをこう語った。

昨年、結党10年を迎えた日本維新の会は、大阪の地域政党として出発した。全国区では苦戦が続き、「内弁慶」とも揶揄(やゆ)されてきた。次のステップは、国政で党勢拡大することだ。

ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「まずは統一地方選・後半戦に勝利できるかが焦点だ。地方組織をつくり、地方議会で勝ち、強化する。地方組織は地域に根ざし、日常的に活動する。この積み重ねのサイクルが支持を広げ、国政政党としての安定的な強さになる。党幹部もその現実を直視しているから、600議席という覚悟を打ち出した」と語る。

後半戦は、政令市以外の88市長、294市議や東京都の12区長、21区議、さらに124町村長、373町村議の選挙が行われる予定だ。

維新の地方議員は3月末で約440人。今回選挙がない約170人を除き、新たに約430人が当選すれば〝公約〟は果たされる。お膝元の大阪以外で、どれだけの議席を獲得できるかが勝負となる。

政策面での課題は何か。

鈴木氏は「維新の看板は『改革』だ。さらに憲法改正や安全保障強化などが保守層の支持も広げた。ただ、地域政党の集まりという印象も拭えない。地域によって課題は違い、打ち出す政策にも違いがある。国政の場で『統一感のある政策』を強く打ち出せるかが重要だ」と語る。

現在の野党第一党、立憲民主党最高顧問の野田佳彦元首相は10日、BS日テレの「深層NEWS」で、維新について「手ごわいライバルになってきた」と警戒した。

立民超えを狙う馬場氏のリーダーシップはどうか。

鈴木氏は「維新創成期の象徴だった橋下徹氏や松井一郎氏は公約を粛々と果たし、身を引いた。維新は明快な出処進退、世代交代の徹底、いわば『身を切る覚悟』が支持された側面もある。馬場氏も『600議席を獲得できなければ身を引く覚悟だ』と表明した。これを貫徹することが大事で、馬場氏も自覚している。また、立憲民主党や公明党とは『共闘』『競争』を繰り広げてきたが、維新の勢いが増すなかで、駆け引きが熾烈になっていくだろう。馬場氏のかじ取りに要注目だ」と分析している。

https://www.zakzak.co.jp/article/20230411-NROZ57CZPBKGNMJ4DMMVM2VJ34/