滋賀県水産試験場 “魚のけが治療塩分濃度0.6%の水最適”

https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20230417/2060013099.html
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けがをしたアユや金魚などの淡水魚を治すには、塩分濃度が0.6%の水の中で泳がせるのが最も効果が高いことがわかったと滋賀県水産試験場が発表しました。

すり傷を負った淡水魚を治すには、これまでも塩を少し入れた水の中で泳がせる塩水浴が効果があると知られてきましたが、
その最適な塩分濃度やメカニズムについては、分かっていませんでした。
そこで、県水産試験場がすり傷を負ったアユをさまざまな塩分濃度の水槽で泳がせる実験を行ったところ、
塩をまったく入れていない水槽や塩分濃度が1%と比較的濃い水槽では、2日後に2割程度しか生存できませんでしたが、
塩分濃度が0.6%の水槽では、100%近く生存したということです。
また、アユの体を詳しく調べたところ、塩を入れていない水槽のアユは、傷が残り続けていた一方、
塩分濃度0.6%の水槽のアユは、6時間後や1日後に傷が治っていく様子が確認できたということです。
効果の理由について、実験を行った県水産試験場の菅原和宏さんは「0.6%だと体内の塩分濃度が最適に保たれるため、
魚が傷を治すことに専念できるのではないか」とみています。
0.6%の塩水浴は、うろこがある淡水魚全般に効果があるとみられるほか、ミズカビ病など一部の病気にも効果があるということです。
菅原さんは「漁業者の知恵を科学的に解明できた。淡水魚が傷ついていそうなときは、ぜひ活用してほしい」と話しています。

04/17 17:19