0001きつねうどん ★
2023/04/25(火) 09:24:15.81ID:Pxp8ttYtウクライナとロシアの関係
まず簡単に今回の話題の中心である、ロシアとウクライナについて見ていきます。
1991年にソビエト連邦が解体したあと、ソビエトの大部分を引き継ぐ形で誕生したのがロシア連邦です(以後、「ロシア」と略す)。
世界最大の国土面積と、豊富な天然資源を有し、近年の急成長を遂げている国家、BRICS(Brazil、Russia、India、China、South Africaの5か国の英語の頭文字を並べたもの。今後、著しい経済成長の発展が見込まれる新興国)の一員としても存在感が高まっています。
またウクライナも元は旧ソ連諸国の一つで、1991年のソビエト連邦解体直後にウクライナ.ソビエト社会主義共和国から「ウクライナ」として独立しました。
ロシアの南西部に位置し、気候も温暖で肥沃な平原が多く過ごしやすいためか、人口密度はロシアよりも高いです。
私も2019年に同国を訪れましたが、西欧と比べると、どこかのんびりとしていて、経済的にやや発展途上な印象を受けました。実際、ウクライナの一人当たりGDPは3,727ドル、世界の平均的な一人当たりGDP1万916ドルと比べて低い数値となっています。
旧ソ連の両国ということで、民族的につながりが深く、ウクライナには約17.7%のロシア系住民が居住しています。今回の戦争で広く知られることになりましたが、ウクライナの東部、つまりロシア国境に近い地域ではロシア系住民がより多く住んでおり、言語も含めてロシアの影響が強い地域です。
このようにユーラシア大陸の国境沿いには異なる民族が混在していることが多いのですが、大陸から離れ日本という島国に住んでいるとあまりピンとこないところでもあります。
ウクライナの貿易パートナーの1、2位がロシアと中国
ウクライナ東部における紛争はずいぶん前から行われており、私が訪れた2019年には既に赤十字の医療部隊が絶えず支援を続けている状況でした。少なくとも2014年3月のロシアによるクリミア併合あたりからはウクライナ東部での衝突が断続的に続いていました。
一方でウクライナとロシア両国の貿易は、少なくも今回の侵攻以前は盛んで、ウクライナの輸出入に占めるロシアの割合はそれぞれ10%程度と上位を占めています。ロシアに農作物などを輸出し、ロシアから天然資源や嗜好品などを輸入しています。
ただ近年は「一帯一路」と呼ばれる、中国を起点として西へと経済圏を拡大させる中国の経済政策の影響もあり、ウクライナと中国の貿易のつながりが深くなっています。輸出入に占める中国の割合もそれぞれ10%程度とロシアとほぼ同程度、中国とロシアの両国がウクライナの貿易パートナーの1、2位を占めている。
これが現在のウクライナの状況といえます。
中国やEUの経済発展が、ロシアとウクライナの関係に影を落とすことに
少し話を戻すと1991年にソビエト連邦が解体となり、ここからロシアとウクライナの歴史は大きく分岐していくことになります。もともと言語、民族、宗教も近い両国の関係が悪化していった背景には、経済的な視点でいえば中国やEUの目覚ましい発展の影響も関係しているように思います。
1992年には中国が改革開放(経済特別区の設置、海外資本の積極的な導入が行われ、市場経済への移行が推進された政策)を強化し資本主義経済の導入を加速させました。また1993年にはEUが設立し欧州域内におけるヒト・モノ・カネの移動が活発になりました。
中国とEU、この2つの経済圏が大きく発展を遂げていき、その流れの中でウクライナはEUや中国との結びつきが深まり、結果としてロシアのウクライナに対する影響力が少しずつ弱まっていったのでしょう。
つづき
https://gentosha-go.com/articles/-/49375