5/2(火) 9:18   西日本新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed33af749e4ed889ae514e3c641b3392c4cc9bcc?

妻ががんと診断された男性から、「保険会社から理不尽な対応に遭った」という投稿が西日本新聞「あなたの特命取材班」に寄せられました。保険金が不払いとされましたが、原因は病院側の診断書。しかし診断書を訂正してもらったにもかかわらず、保険会社側は不払いの態度を変えませんでした。最終的には撤回されましたが、男性は「同じようなケースで泣き寝入りしている人もいるのでは」と話しています。保険会社に、この対応について取材しました。

【画像】アフラックから男性に郵送された文書

【投稿】
 50代の妻が2021年秋の人間ドックをきっかけに胃粘膜下のがんと診断され、22年1月までに入院、手術をしました。幾度もの検査で「消化管間質腫瘍(しゅよう)」(GIST)という珍しいがんであることが分かりました。

 妻は元気で食欲もあったので、驚きました。なかなか病名が分からず、がんと診断されてからも、病院からは「手術で採取したがん組織の検査をしないと、再発率が分からない」と言われ、不安な日々を過ごしました。

 そんな時、30年近く加入していたがん保険(アフラック生命保険)の契約内容の通知がありました。2人目の子どもが生まれ、万一の備えで入っていました。退院時に出た診断書を添え、保険金の申請をしたのですが、「給付金の支払い対象にはなりません」との文書が郵送されてきました。

 対象外の理由として、診断書に病名の「GIST」の後ろに「suspect」(疑い)とあるためということでした。「疑い」では、約款にある「がんの確定診断」との要件を満たしていないというのです。

 アフラックの窓口に電話しましたが、「審査は、提出された診断書で行います。診断書についての説明は、病院に求めてはいかがですか」と素っ気ない対応。この時、細胞や組織を調べる「病理検査」でGISTの診断が確定し、手術が決まった経緯があることも伝えました。

 病院に相談すると、主治医が診断書を訂正し、退院時に出た診断書から「疑い」を削除してくれることになりました。ところが、アフラックは受け付けません。「入院給付金」を諦め、がんと診断された時に受け取る「診断時給付金」だけでもほしいと思い、「手術前に出た診断書を出す」と伝えましたが、「手術後の診断書で判断するので支給できない」と説明されました。

 担当者と長時間のやり取りに違和感を覚えた時、テレビCMで「がんと診断された時に保険金が出る」と宣伝されていたことも思い出しました。手術後の診断書でないと受け取れない理由について、担当者に「約款の何条に記載されているのですか」と尋ねると、「約款には載っていません」とし、その後の対応は上司に代わることになりました。

 そして、当初から伝えていた病理検査の結果を上司に改めて説明したところ、一転して検査結果のコピー送付を求められ、すぐに不支給が撤回されました。これまでのやり取りが、無意味だったことが判明しました。その経緯の説明を求めていますが、今に至るまで、納得がいく理由がありません。

 私は粘り強く交渉したので入院給付金を含めて支給されましたが、私と同じように知識のない人たちが泣き寝入りしているのではないかと想像しています。自分の体験を公表することで、アフラックの今後の対応が改善されることを願っています。

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