最近、テレビのコメンテーターに「誰?」っていう人が増えてませんか? だいたい若くて意識が高そうで、肩書が何をしてるかよく分からない団体や会社の代表だったりします。頭が良さそうだな、と思うし、老人メディアと化したテレビに少しでも若い人の意見を反映させるため選ばれてるんでしょうけど、なんだかあまり中身のないような、どうでもいい無難な意見を言ってるだけの場合もありますね。

立派な人もいるんでしょうし、とにかくテレビに出て有名になりたいだけの人もいるんでしょう。それはオッサンオバハンのコメンテーターも一緒です。マトモな人とうさん臭い人をどうやって見分けるか? というとじつは簡単です。コメンテーターを選ぶテレビマンの意識から逆算すれば、すぐにわかります。

結論から書くと「話がうまい人と、美男美女はうさん臭いから信じるな」ということです。美男美女とか書くと「ルッキズムがどうのこうの」と言われそうですが、現に多くのテレビマンが「お、美人だからキャスティングしようか」くらいの程度の低い考えでコメンテーターを選んでいるので仕方がありません。

だいたいテレビマンがコメンテーターを選ぶ基準は3つ。1.話がうまくて、どんな話題でもそれっぽいことが言える人か、2.見た目が良いので人気が出そうだな、という人か、3.知識が深くて、内容のあることを言える人―のどれかに当てはまらないとコメンテーターには選ばないものです。

話を聞く価値があるのは、ぶっちゃけ3の人だけです。1と2の人は、あまり中身はありませんから、聞き流せばいい。では、どうやって「誰が3なのか」を見抜くかというと、簡単な方法は「話が下手で、美男美女ではなさそうな人」ということになります。

もちろん中には「1で2で3」という人もいるんでしょうけど、そう簡単に天は二物を与えないので、現実にはほぼ存在しません。

1や2の人は、通常の神経だと「自分はちゃんとしたことが言えないのに、テレビでコメンテーターなどできない」と考えるはずなのに、そう考えず堂々とテレビに出て中身のないことが言える人なので、まず間違いなく有名になりたいだけです。

個人的経験則からいうと「話すスピードが早くて、まくしたてる人」と「断定口調が多い人」は相手を言い負かしたいだけの場合が多いです。詳しく物事を知っている人ほど、言いよどんだり回りくどくなるものなので、どうぞご参考にテレビを見てみてください。

■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。1992年、テレビ朝日入社。「スーパーJチャンネル」「報道ステーション」などのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。新著『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)が発売中。

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